主要国に見る、モバイルインターネットの世代間格差

2013/01/27 10:00

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出先でモバイルインターネットアメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年12月12日、世界主要国におけるソーシャルメディアの使用性向に関する調査報告書【Social Networking Popular Across Globe】を発表した。今回はその中から、一般携帯電話とスマートフォンを合わせたモバイル端末(原文ではCell Phoneのため、タブレット機やノートパソコンは含まれない)の所有者のうち、その端末でインターネットを定期的に使っている人の世代別構成を見ていくことにする。



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今調査は2012年3月から4月にかけて、各国18歳以上の800人-約4000人に対し対面あるいは電話による通話形式でのインタビューで実施されたもので、中国以外では国勢調査の結果に基づいたウェイトバックが行われている。また国別の習慣や国内情勢、言語などの違いにより、質問などの点で完全に同じ条件下で行われたとは言い切れないことに留意しておく必要がある。

先日別記事で記したが、調査対象となった国ではモバイル端末の普及率は押し並べて高いものの、それを用いたインターネットへのアクセスは国によって大きく異なり、また値もやや低め。これは日本を除く多くの国で、「一般携帯電話はインターネット利用が出来ない」「スマートフォンでならネット利用が可能」という状況にあるのが大きな要因。

↑ モバイル端末を持っているか(再録)
↑ モバイル端末を持っているか(再録)

↑ 定期的に次の機能を使っているか(モバイル端末保有者限定)(一部、再録)
↑ 定期的に次の機能を使っているか(モバイル端末保有者限定)(一部、再録)

この「モバイル端末保有者における、定期的なインターネット利用者」比率を、世代別、具体的には「18-29歳」「30-49歳」「50歳以上」の3区分で確認したのが次のグラフ。他の調査結果と同様、概して若年層ほど高値、高齢層ほど低値が出ている。

↑ 所有しているモバイル端末で定期的にインターネットを使っているか(モバイル端末所有者限定)
↑ 所有しているモバイル端末で定期的にインターネットを使っているか(モバイル端末所有者限定)

日本以外の諸外国では、大抵において「インターネットアクセスができるモバイル端末」≒「スマートフォン」なため、この値は(モバイル端末保有者に占める)スマートフォン保有率に近い値と見て良い。イギリスの86%をはじめ、アメリカ合衆国の76%、そしてロシアの68%など、若年層の高い値が目に留まる。一方でアラブ諸国やインドなどはやや低め。現状では一般携帯電話で充足しているか、あるいはこれからスマートフォンが浸透していく状況にあるのだろう。

また世代間格差だが、多かれ少なかれどの国でも発生している。そして単純な数字の差では中国で63%ポイント、日本とロシアで62%ポイント、イギリスで61%ポイントの差がついている。一方倍率で見るとギリシャの37倍が最大で、トルコが16.3倍、ロシアが11.3倍、中国が10.0倍など。

↑ 所有しているモバイル端末で定期的にインターネットを使っているか(モバイル端末所有者限定)(世代別)(若年層と高齢層との利用率差、倍数)
↑ 所有しているモバイル端末で定期的にインターネットを使っているか(モバイル端末所有者限定)(世代別)(若年層と高齢層との利用率差、倍数)

全体的に普及が進んでいない(≒差異そのものが出にくい)国を除けば、世代間格差が小さい国の方が、モバイルインターネットやその周辺機能の浸透は進んでいるイメージがある。上記で触れたように、スマートフォンの普及率に近しい値であることを考えれば、納得ができるというもの。今後スマートフォンの普及率はさらに上昇していくことは確実である以上、モバイルインターネットの利用率もまた同様の動きを示していくに違いない。


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