ネットニュースの躍進…ニュースの取得手段としてインターネットをもっともよく利用する人の割合(2012年発表版)
2013/01/16 11:55
今から一か月ほど前の2012年12月25日付の記事【世界主要国のテレビ視聴時間(2012年発表版)】でも記したが、イギリスの情報通信庁は2012年12月14日までに、同庁の定期公開報告書のうち、世界各国の通信業界・メディア動向をまとめた「International Communications Market Report」の最新版に相当する【International Communications Market Report 2012】をウェブ上で公開した。発信元の都合からイギリス中心の内容ではあるものの、ワールドワイドで見ても有意義なデータが多数盛り込まれて、精査に値する内容といえる。今回はその中から「ニュースの取得手段として、インターネット経由の情報をもっともよく使っている人の割合」について見て行くことにする。
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先日【主要国で比較する「ニュースはどこで手に入れるか」(2012年発表版)】で解説したように、ニュースを取得するソースとしては「テレビ」がもっともよく使われているが、「インターネット」もそれに次ぐ利用者がいる。
↑ ニュースを取得する際にもっとも使うソース(全国ニュース)(2012年9月)(再録)
またアメリカに限って言えば若年層では「テレビ」以上に「インターネット」を重視している動きも確認できる。
↑ 主にどのメディアからニュースを取得しているか(再録)
次のグラフは【主要国で比較する「ニュースはどこで手に入れるか」(2012年発表版)】などのグラフから抜粋再構築する形で、パソコンやモバイル端末もあわせた「インターネット経由」によるニュース取得を、紙媒体の新聞やテレビなどよりも多く使っている人の割合を示したもの。地方ニュースではやや値が落ちる(スペイン除く)傾向があるが、概して3-4割、イタリアでは5割前後、中国では7割もの人が、「インターネット経由でのニュース取得が、各媒体でもっとも高頻度」と答えている。
↑ インターネット(各PC・モバイル込)をニュース取得手段としてもっともよく使う人の割合(ニュース種類別)(2012年10月)
以前別記事でも解説したが、中国の高い値については、「調査対象のうち中国の回答者は、同国におけるアーリーアダプター(新技術などが登場した際に、早期に購入利用する・できる人。インターネット経由での情報取得にも長けており、積極的に活用する場合が多い)で占められており、他の諸外国と比べて高い値を示してしまっている」。また、中国以外にもイタリアでも高い値を示しているが、これに関する説明はレポート中には特にない。もっとも、同国でのモバイル端末の普及率の高さが後押ししていると考えれば、道理は通る。
無論これらの回答者においても、ニュースが欲しい時に他の媒体(テレビやラジオ、新聞、雑誌など)をまったく使わないわけではない。あくまでも優先順位、利用頻度の違いで、インターネット(モバイル、パソコンなどを問わず)を選んだだけの話。とはいえ、特にニュース配信を主軸にとらえているメディア側から見れば、3割前後の人が「ニュースが欲しい時にはテレビや新聞よりも、インターネットを主に使う」と答えている状況は、安穏とできるものではあるまい。
しかもモバイル端末を中心に今後さらにこれらの値が伸びることは、誰の目にも明らか。特に全国区のニュースに関しては、各既存メディアも今まで以上に状況に即した対応が求められよう。
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