米で本を読む人3/4、平均購読数は年15冊

2013/01/07 07:30

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電子書籍での読書アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年12月27日、同国の電子書籍の普及を含めた読書性向に関する調査結果【E-book Reading Jumps; Print Book Reading Declines】を発表した。それによれば直近1年間で米成人のうち「本を読んだ経験がある(媒体問わず)」の人は75%に達していた。若年層ほど高く、高齢層ほど低くなる傾向がある。また読書層における平均的な読書冊数は平均で15冊、中央値で6冊となり、ヘビーな購読層が居ることt@
うかがえる結果が出ている。



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今調査は2012年10月15日から11月10日にかけて、アメリカ合衆国内に住む16歳以上の男女に対し、RDD方式で選ばれた電話番号に対する電話による通話でのインタビュー形式で、英語・スペイン語にて行われた。有効回答数は2252人。うち固定電話は1127人、携帯電話は1125人(そのうち固定電話無しは543人)。回答者中インターネット利用者は1945人。調査結果は国勢調査などの統計に基づいてウェイトバックが行われている。

電子書籍とそれを読む媒体の普及で、紙媒体読者が漸減しつつも、それを補いありあまる形で電子書籍読者が増え、全体としては「本読み人」の比率が少しずつ増える傾向にあるアメリカ(【米国で進む「本離れ」に歯止めをかけるのが電子書籍? 米書籍購読傾向】など)。今調査では直近で、75%の人が過去一年間に紙・電子いずれか、双方での本を読んだことがあると答えている(報告書では区分、解説は無いが、新聞は含まれないと考えられる)。

↑ 過去12か月に任意の媒体で本を1冊以上読んだことがある人の割合(米、16歳以上、2012年11月)
↑ 過去12か月に任意の媒体で本を1冊以上読んだことがある人の割合(米、16歳以上、2012年11月)

「世帯年収が高い」「学歴が高い」方が読書率が高いのは、一般的なデジタルメディアの利用率における差異と同じ傾向。環境・必要性の違いが後押ししているものと考えられる。また、世代別では若年層の方が本を読む人が多いのは、少々興味深い話。今件データでは区分した値が公開されていないが、電子書籍の普及が若年層の読書性向を高めていると考えてもおかしくはない(【全体約3割、50歳で生じる大きなギャップ…米電子書籍購読者の割合】や先の当調査別記事にもそれを裏付けるデータがある)。

↑ 過去12か月に1冊でも本を読んだことがある人における、電子書籍を読んだことがある人の割合(再録)
↑ 過去12か月に1冊でも本を読んだことがある人における、電子書籍を読んだことがある人の割合(再録)

この「読書層」の平均的な購読冊数を算出したのが次のグラフ。単純な平均値以外に、いわゆる中央値も併記する。

↑ 過去12か月に任意の媒体で本を1冊以上読んだことがある人における購読数(米、16歳以上、2012年11月)
↑ 過去12か月に任意の媒体で本を1冊以上読んだことがある人における購読数(米、16歳以上、2012年11月)

平均購読数は15冊。これは「読書層」限定での話なので、調査対象母集団全体では約11.3冊。年に1冊ぐらいの割合となる。ややばらつきがあるが読書性向とは異なり、「高齢層」「低年収層」ほど購読冊数が多くなるのが興味深い(学歴については読書性向と同じく、高学歴の方が冊数が多いのも注目に値する。多数の本を読み通す必要性が高いのだろう)。

また、いずれの属性、そして全体値でも「平均値>>中央値」となっていることにも注目。これは概して、対象者の一部がヘビーな購読者で多数の本を読み、平均値を引き上げていることを意味する(例えば5人の読書数が1・1・1・1・10冊の場合、平均値は14÷5で2.8冊だが、中央値は1冊に留まる)。「本の虫」が居るのは世界共通という次第ではある。



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