「毎日友達や家族相手に電子メールを使ってる」日本は2/3、では電話は…?(2012年発表版)
2013/01/02 08:00
昨年末の12月25日付記事【世界主要国のテレビ視聴時間(2012年発表版)】で解説しているが、イギリスの情報通信庁は2012年12月14日(当方の確認期日)までに、同庁が毎年定期的に公開している、世界各国の通信業界・メディア動向の集約レポート「International Communications Market Report」の最新版に相当する【International Communications Market Report 2012】をウェブ上に公開した。発信元の都合からイギリス中心の内容となっているものの、有意義なデータが多数盛り込まれ、精査する価値のある内容といえる。今回はその中から「友人や家族とのコミュニケーションの際、一日一回以上の高頻度で使っている手法」を見て行くことにする。
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各国約1000人(16歳以上、家族や友人と交流している人限定)に、多種多様なコミュニケーションツールの中から、家族・友人との交流の際に「もっとも多用している」ものを1つ挙げてもらった結果を以前【友人や知人との交流でもっとも使う方法、他国は「対面」・日本は…!?(2012年発表版)】で紹介した。日本は他国と比べ、「対面」の値が低く、「電子メール」「携帯電話での通話」のような、携帯電話絡みの値が高いという、特異な結果が出ている。
↑ 友人や家族とのコミュニケーションの際に最もよく利用している手法とは(2012年、友人や家族と交流している16歳以上限定、上位項目))(再録)
それでは「もっとも使っているもの一つ」ではなく、「毎日使っている」という視点で、よく使われているものとしては、どの手法が挙げられるだろうか。複数回答で聞いた結果が次のグラフ。
↑ 友人や家族とのコミュニケーションの際に、少なくとも1日1度以上使っている手法とは(2012年、友人や家族と交流している人限定、上位項目のみ)
「電子メール」は多くの国で過半数を超えており、どの国でも頻繁にメールで交流が行われているのが分かる。それをはじめ、高頻度で使われる手法の違いは、その国のコミュニケーション文化や各ツールの普及の様相が映し出されているようで、大変に興味深い。
イタリアでは「電子メール」がやや低めな値を示しているが、その分「携帯電話での通話」が高いのが特徴。レポートによれば、これはイタリアにおける携帯電話の急速な普及に伴うもので、同国では携帯電話の普及量(原文には無いが、恐らくはSIMのカウントによる契約数で、純粋な契約人数ではないと思われる)は2006年-2011年の間に年平均で11.8%もの成長を示しているとのこと。「インスタントメッセンジャー」の使用率が高いのも、ひとえにその携帯電話の爆発的な普及率に原因があると見て良いだろう。
「友人や知人との交流でもっとも使う方法、他国は「対面」・日本は…!?(2012年発表版)」でも触れたが、日本は(多分に携帯電話による)「電子メール」でのやり取りが多く、今件の「毎日使っている」との視点でも65%と最大の値を示している。一方で「携帯電話での通話」は24%と各国で最低値でしかない。これと上記のグラフを合わせ見ると「日本では携帯電話を使った通話によるコミュニケーションは『他の手法と比べれば』盛ん。だが頻度は低めで、毎日使っている人は1/4程度でしかない」ということになる。
またその他の項目を見ても、日本は他国と比べると「毎日使う手法」が少ないのが目に留まる。日本人は諸外国の人と比べると、コミュニケーションが苦手であるとの話は良く耳にするが、その一端が現れた結果かもしれない。だからこそ各国中ではトップの「電子メール」、そして最上位の「ツイッター」の存在が、ひときわ目立つものとなるのだろう
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