友人や家族との交流でもっとも使う方法、他国は「対面」・日本は…!?(2012年発表版)
2013/01/01 12:00
昨年末の12月25日付の記事【世界主要国のテレビ視聴時間(2012年発表版)】でも説明したが、2012年12月14日までにイギリスの情報通信庁は、同庁が毎年定期的に発表している、世界各国の通信業界・メディア動向の集約レポート「International Communications Market Report」の最新版【International Communications Market Report 2012】を公開した。イギリス中心の内容だが、有意義なデータが多数盛り込まれ、チェックする価値のあるものとなっている。今回はその中から「友人や家族とのコミュニケーションの際、もっとも良く使う手法」を見て行くことにする。
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各国約1000人(16歳以上、家族や友人と交流している人限定)に、多種多様なコミュニケーションツールの中から、家族・友人との交流の際に「もっとも多用している」ものを1つ挙げてもらった結果が次のグラフ。少数回答の項目(インスタントメッセンジャーや郵便、ツイッターなど)は除いている。
↑ 友人や家族とのコミュニケーションの際に最もよく利用している手法とは(2012年、友人や家族と交流している16歳以上限定、上位項目))
デジタルツールが多種多様な切り口で浸透を進めているが、「もっとも良く使っている」のは、ほとんどの国で「対面」という結果が出ている。4割前後、最大値を見せるイギリスでは48%が「対面でのやり取りがもっとも多い」と答えている。次いで多いのは「固定電話での通話」。これが大体1-2割。あとはほぼ同数で「携帯電話での通話」やや下がって「電子メール」と続く(あくまでも「もっとも使う」のであり、他の項目はまったく使わないわけではないことに注意)。
個別に見ると、例えばイギリスは「対面」を重視、アメリカでは「対面」と同時に「固定電話での通話」も重視する傾向にある、イタリアでは「電子メール」「携帯電話での通話」に重きを置いている(多分に【インターネットと携帯電話の普及率を世界の他国と比べてみる】で触れている、イタリアでの携帯電話使用スタイルの特異性が事由だろう)などの動きが見て取れる。
そして見逃せないのが日本の動き。唯一「対面」が最上位では無く、代わりに「電子メール」がトップについている。そしてそれに続くのが「携帯電話での通話」。選択項目記述には「携帯電話による」とは無いが、「電子メール」はその多くが携帯電話・スマートフォンを経由してのものと考えられる。要はモバイルによるコミュニケーションが非常に好まれている状況が、数字となって表れている。
レポートではこの日本の特異性について、「電子メールは利便性と即時性において優れている。これが日本人の需要にマッチしているため、上位につくことになった」と説明している。日本の携帯電話は他国と比べ、一般携帯電話でもスマートフォンに近い高性能を見せ、他国ではテキストメッセンジャーにあたるコミュニケーションツールとして、携帯電話の電子メールが多用されてきた。そのような状況の違いが、そのまま今回の調査項目部分にも表れたと見れば、道理が通る次第ではある。
もっとも「対面でコミュニケーションする暇が無い」という、やや寂しい見方も出来るのではあるが。
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