「週一以上でテレビ視聴」9割・欧米主要国などのメディア利用性向(2012年発表版)

2012/12/28 14:00

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テレビ視聴先に【世界主要国のテレビ視聴時間(2012年発表版)】でも記したように、イギリスの情報通信庁は2012年12月14日までに、同庁が毎年発表している、世界各国の通信業界・メディア動向をまとめたレポート「International Communications Market Report」の最新版にあたる【International Communications Market Report 2012】を公開した。発信元の都合もありイギリス中心の内容ではあるが、有意義なデータが多数盛り込まれていて、注目すべき内容といえる。今回はその中から「欧米諸国における、テレビやインターネット、新聞など広範囲な主要メディアに対する利用性向」を見て行くことにする。



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同レポートでは先の記事【世界主要国のテレビ視聴時間(2012年発表版)】にあるように、諸国でテレビの視聴時間が伸び、利用性向が高まりを見せていることも伝えている。

↑ 主要国テレビ視聴時間(2010年-2011年の変移)(再録)
↑ 主要国テレビ視聴時間(2010年-2011年の変移)(再録)

それでは日常生活上に存在しうる、多種多様なメディアに対する利用実態はどのような状況なのだろうか。「少なくとも週一以上で使っているか否か」についてデジタル家電だけでなく、一部紙媒体をも合わせ尋ねた結果が次のグラフ。


↑ 少なくとも週一以上で使っているメディア(2012年9月)
↑ 少なくとも週一以上で使っているメディア(2012年9月)

先に別記事で「主要国のスマートフォン所有・利用率は約5割」と記したが、常用(週一以上で使用)している率もほぼそれに等しく、稼働率の高い使われ方をしているのが分かる。単純な携帯電話利用率ではイギリス・イタリア・スペイン・オーストラリアがやや抜きんでている。イギリスはSNSの利用性向の高さ(【インスタントメッセンジャーからソーシャルメディアへ…イギリスのインターネット利用時間の変化】)、イタリアやスペインは【インターネットと携帯電話の普及率を世界の他国と比べてみる】でも触れている通り、ラテン系的な国における積極的な携帯電話の利用性向がそのまま数字化されたものと思われる。

所有・利用率という点ではテレビ視聴率もほぼ同じ。テレビ視聴ができる環境にある世帯では、テレビがホコリを被ることなく、常用されていることが見て取れる(今回取り上げたメディア中、どの国でも最高の値を示している)。

他方、紙媒体の利用率は押し並べて低い。よくて精々5割程度。特に一般の新聞購読(他項目から判断するに「全国紙」を意味する)率は低く、地方紙の方が高い(事情は【アメリカの新聞動向】で解説済み)。全国規模の情報はテレビ、そしてインターネット経由で取得するライフスタイルに移行しつつあると考えれば、納得もいく(この動きは日本ですら起きている)。

モバイル端末の観点で見ると、現状では一般携帯電話の利用率の方が高いように見えるが、例えばイギリスやスペインのように、スマートフォン利用率の方が上の国も確認できる。今後スマートフォンは浸透を続けることを考えれば、来年にはさらに「一般携帯<<スマートフォン」の国が増えてくるに違いない。

パソコンや携帯を用いたインターネットの普及により、手紙の必然性が落ちたためか、郵便の利用率が低いのも目に留まる。官公庁などからの書類、請求書、ダイレクトメール、オンラインショッピングで購入した商品の受け取りもあるため「受領」はやや高めだが、自ら送付する割合は4割前後。中にはスペインのように、2割足らずの国すら見受けられる。これについてレポートでは「スペインではあまりインターネットショッピングが普及していないのが原因」と説明している。

今回のデータからは、テレビは歴史も長く、メジャーなメディアであることの再確認ができる。それと共に、同程度の利用性向を見せるパソコン(デスクトップ・ノートパソコン双方)によるインターネットへのアクセスは、注目に値する。またこのようなメディアの利用性向に関しては、日本国内でもいくつかの調査機関が、別個に利用性向に関するレポートを出している。それらと比較してみると、国ごとの違い、そして興味をそそる傾向が見えてくるかもしれない。



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