3/4が「メディアの性・暴力表現に問題あり」
2012/12/27 11:55
内閣府大臣官房政府広報室は2012年12月17日、男女共同参画社会に関する世論調査の結果を発表した。それによるとテレビや新聞、雑誌、インターネット、コンピューターゲームなどのメディアにおける性や暴力表現に関して、問題があると感じている人は7割強に達していることが分かった。男女別では女性の方が、世代別では若年層よりも50-60代の壮齢層の方が、強い問題意識を抱いているのが確認できる(【発表リリースページ】)。
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今調査は2012年10月11日から28日にかけて日本国内で20歳以上の日本国籍を有する者5000人を層化2段無作為抽出法で選んだ上で、調査員による個別面接聴取法によって行われたもので、有効回答数は3033人。男女比は1432対1601、世代構成比は20代266・30代431・40代500・50代523・60代609・70歳以上704。
テレビや新聞、雑誌などの4マスだけでなく、インターネットやコンピューターゲームまでをも含めたメディア全般に対する、性や暴力の表現について、その過激度や倫理的な観点などで問題があるかを尋ねたところ、全体では73.8%の人が「問題あり」との意見を示した。
↑ メディアにおける性・暴力表現に問題があるか
具体的な要件としては「望まない人や子供の目に触れている」「社会全体の性に関する道徳観・倫理観が損なわれる」「児童に対する性犯罪を助長する」「自分自身がそのような表現を望んでいない」などが「問題」として呈されている。性や子供に関する点が多く問題視されていることもあり、男性よりは女性の方が強い問題意識を抱いているのが分かる。特に「そう思わない(強度)」の意見が5.9%しかいないのが印象的。
これを性別・世代別に見ると、概して50-60代でもっとも強い問題意識を持っているのが見て取れる。若年層はやや少なめ、というより「問題は無い」とする意見も多い。テレビや新聞への注力時間は概して高齢層の方が上であり、だからこそ問題意識も高まるのかもしれない(インターネットなど新メディアは逆だが「慣れている」面も多いのだろう)。
↑ メディアにおける性・暴力表現に問題があるか(性別・世代別)
男女間では女性の方が強い問題意識をいだいているのはどの世代でも同じで、特に若年層では女性の意識が強い。「そう思わない(強度)」を示す濃いオレンジ色の面積の違いからも、それは一目瞭然。
ただし70歳以上になると問題があるか否かの判断が付きにくくなるようで、男女とも「わからない」とする意見が増えるのも特徴的。特に女性は2割近くが判断不能としている。
ちなみに3年前に行われた同様の調査との比較を見ると、やや問題意識そのものが低下しているように見える。
↑ メディアにおける性・暴力表現に問題があるか(調査期間別)
両調査における「問題あり派」の回答率差異は6.2ポイント。誤差と判断するにはやや大きめな値。現状と見比べるとやや首を傾げるところもあり、次回の調査でどのような動きを見せるのか、注目したいところだ。
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