大学生のmixi利用者6割強、ただし大部分は利用頻度減少。その理由は……
2012/12/20 08:30
東京広告協会は2012年12月10日、首都圏の大学生に対する「友人関係に関する意識調査」の結果を発表した。それによると大学生から成る調査対象母集団においては、SNS(ソーシャルメディア)のmixiを利用している人は6割強に達していることが分かった。ただしその大部分は利用頻度が減少しており、過去に利用経験はあるが退会してしまった人も全体の1割強に及んでいた。利用頻度が減った人や退会者にその理由を聞くと、もっとも多くの人が同意を示したのは「他のSNSの方が使いやすい・便利だから」で、該当者の6割を超えていた(【発表リリース】)。
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今調査は2012年7月17日から31日にかけて、首都圏の大学(駒澤大学・上智大学・専修大学・東洋大学・日本大学)に在住する大学1-4年生の男女に対して、アンケート自記入法によって行われたもので、有効回答数は1029人。そのうち800人分を集計対象としている。
先に【大学生が利用するSNS、LINEやツイッター、mixiにFacebook。一番良く使われているのは……?】でも記したが、今調査対象母集団では主要SNSのうちmixiの利用度合いはLINE・ツイッターに次いで第3位。ただし一番良く使うSNSとしては回答者はごく少数で、利用頻度の少なさが予見される結果が出ていた。
↑ 利用しているSNS(利用者ベース)(2010年項目は一部略)(再録)
そこでmixiに限定し、昨今の利用状況を全員に聞いたところ、現在利用している人は66.3%。過去に利用していたが退会してしまった人は14.1%に達していた。
↑ 最近のmixiの利用状況
元々知らない・利用経験が無い人はともかくとして、気になるのは利用頻度が減った人、そして退会した人。元々mixiに対するロイヤリティを一定度持つ人が、なぜその値を減らし、さらには退会してしまったのか。この74.4%の人に限り、理由を尋ねたところ、最上位についたのは「他のSNSの方が使いやすい・便利だから」というものだった。
↑ mixi利用頻度減少・退会理由(対象者ベース)
先のグラフと合わせて考えれば、この「他のSNS」とはLINEやツイッター、そしてFacebookを指すのだろう。そして一度他コミュニティへの移動が始まると、「友人とコミュニケーションをするのがメリット」のSNSの特性から、移動の連鎖反応が起きる。「友達が他のSNSに移行した」「みんながやめた」はまさにその「連鎖」が起きた結果による。また「他のSNSが話題になっていた」も類似理由といえる。
一方mixi内部の問題も数多く指摘されている。「足あと機能」「下らない情報」「情報が沢山流れて処理できなくなった」などが該当する。機能の拡充は一見嬉しい話のように見えるが、人によっては「余計なもの」としか判断されないこともある。帯に短したすきに長し、というあたりかもしれない。
また、機能の拡充では無く、現行機能の管理体制、さらには元からある機能自身の根底に潜む問題も指摘されている。次のグラフはネガティブ系の経験のあるなしを聞いたものだが、多くの項目で少なからぬ人が嫌な経験をしているのが分かる。
↑ mixi利用時経験の有無(ネガティブ系、mixi利用経験者限定、上位のみ)
システム上仕方がないもの、mixiに限らずSNS全般に言えるものもあるが、いずれにせよこれらの経験が、mixi離れを後押ししたことは間違いない。
リリースではこれらの動きについて束縛感の強さや面倒くささに疲れを覚えていると分析している。いわゆる「mixi疲れ」というものであり、納得する次第ではある。
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