「おひとりさまでも寂しくない」大学生では7割近く、理由は「携帯やスマホ」「他にも居るから」
2012/12/17 11:55
東京広告協会は2012年12月10日、首都圏の大学生に対する「友人関係に関する意識調査」の結果を発表した。それによると大学生から成る調査母体においては、いわゆる「おひとりさま」行動経験者は94.0%に達していることが分かった。この経験者に「おひとりさま行動がさみしいと感じることがあるか」と聞いたところ、6割強は「寂しい気持ちにはならないことが多い」と答えている。その理由として上位に挙げられたのは、「携帯電話やスマートフォン(スマホ)があるから」「同じような『おひとりさま』を見かけるから」だった(【発表リリース】)。
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今調査は2012年7月17日から31日にかけて、首都圏の大学(駒澤大学・上智大学・専修大学・東洋大学・日本大学)に在住する大学1-4年生の男女に対して、アンケート自記入法によって行われたもので、有効回答数は1029人。そのうち800人分を集計対象としている。
以前【「ひとり牛丼」5割強「ひとりカラオケ」1/4…大学生の「おひとりさま」ライフ】で触れたが、「ひとり牛丼」をはじめとして、「おひとりさま」行動の経験者は案外多い。個別ベースでは5割前後が最高だが、どの項目でも良いので経験のあるなしを聞いたところ、94.0%の人が「おひとりさま行動」をしたことがあると答えている。
この「おひとりさま行動」経験者に、その行動でさびしいと感じるか否かについて、「さびしい気持ちになることが多い」「さびしい気持ちにならないことが多い」の2択で自分の心境を尋ねたところ、全体では32.6%が「さびしい気持ちになることが多い」と回答した。
↑ おひとりさま行動でさびしいと感じるか(おひとりさま行動経験者対象)(「寂しい気持ちになることが多い」人の割合)
男女別では女性の方がやや値が低い。つまり女性は男性よりも「おひとりさまでもさびしい気持ちにならないことが多い」ことになる。
ではなぜ「おひとりさま行動でもさびしさを感じない」のか。その事由を4項目それぞれについて自分が当てはまるか否かで聞いたところ、「携帯電話・スマホがそばにあるから」の項目で一番の同意率となった。強度はともあれ61.4%の人が同意を示している。
↑ おひとりさま行動でさびしいと感じない理由(おひとりさま行動でさびしくならない人ベース)
モバイル端末を通じて他人と接している(感じになれる)ことで、たとえ実態では一人で行動していても、「自分は一人では無い」と思うことが出来、それが「おひとりさま」でもさびしさを覚えない原動力になるのだろう。「SNSを通じて友人の状況を把握できる」「SNSに投稿したら友人が反応してくれる」も具体性の面では異なるものの、本髄では同じ。「デジタルのリンク」が「おひとりさま」のさびしさを断ち切ってくれている。見方を変えれば、「デジタルのリンク」があるからこそ、「おひとりさま」行動も平気だといえる。
これを男女別に見ると、多分に女性の方が高い同意率を示している。
↑ おひとりさま行動でさびしいと感じない理由(おひとりさま行動でさびしくならない人ベース)(「思う派」合計、男女別)
上記にあるように、女性の方が「おひとりさまでもさみしくない」とする人が多いのは、これら「リアルでは一人だが、デジタルでつながっているから一人ぼっちでは無い」という認識が強いからのようだ。無論、「同じような『おひとりさま』を見かけるから」のように、周囲を冷静に眺めて他と比較できるだけの判断力によるところも小さくないが……。
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