「道路整備費用は車利用者が負担すべき」賛成16%・やむを得ない51%・反対28%
2012/12/19 08:30
内閣府は2012年12月3日、道路に関する世論調査の結果を発表した。それによると「道路整備のための費用は、車を利用する人が負担する」という考えについて、適切であるとする考えを持つ人は約16%に留まっていることが分かった。やむを得ないが賛意を示した人がもっとも多く約5割、反対の意を示した人は3割近くに登る。居住地域別では地方ほど反対派が多く、世代別では歳を経るに連れて反発が強くなる(【発表リリース】)。
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今調査は2012年10月4日から14日にかけて、日本国内で日本国籍を有する20歳以上の男女の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた3000人に対して行われたもので、調査方法は調査員による個別面接聴取法。有効回収数は1866人。男女比は847対1019、世代構成比は20代165人・30代266人・40代318人・50代275人・60代425人・70歳以上417人。
新設道路や既存道路の管理運営補修などには、すべて費用が必要になる。この道路整備のための費用に関し、「車を利用する人が負担する」という考えがあるが、これについてどのような思いを持つかを聞いたところ、適切であるとする意見は15.8%となった。
↑ 「道路整備のための費用は、車を利用する人が負担する」という考え方について
いわば「渋々同意」的な「やむを得ない」とする意見がもっとも多く51.4%で、ここまでが賛意派。「不適切である」とする人は27.9%で3割足らず。他に「分からない」とする意見が4.5%ほどあり、全般的には賛意派が多い。
これを世代別に見ると、若年層ほど強い賛意を抱き、反対派が少なく、歳を経るに連れて反対派が増え、賛意が減る動きを示している。
↑ 「道路整備のための費用は、車を利用する人が負担する」という考え方について(世代別)
70歳以上はややイレギュラーな動き(強い賛意が増え、反対派が減る。「分からない」が増える)を示しているが、概して歳を経る程、「車利用者による道路整備負担」には反対する意志を持つようだ。
一方、これを回答者居住地域別に見ると、ほとんど差異は見られない。
↑ 「道路整備のための費用は、車を利用する人が負担する」という考え方について(回答者居住地域別)
やや「町村」で反対派が多くなる動きを見せるが、これも精々2-3ポイント程度。誤差の範囲と見て問題が無い程度。
ただし今件ではあくまでも対象への表現が「車を利用する人」に留まっている。自家用自動車以外に各種貨物自動車も含まれるし、広義で見ればタクシーやバスの利用者も対象となりうる。そしてもちろん道路は車の類だけが利用しているわけではない。整備費用を車利用者「のみ」が負担するという考えは、問題だといえよう。
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