楽天で調べて購入はアマゾン?
2012/11/30 11:55
マーケティング活動のサポート企業カンター・ジャパンは2012年11月27日、日本国内におけるインターネット通販サイトの両雄ともいえるアマゾンと楽天に関する、消費者の購入行動に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、楽天とアマゾンでは楽天の方が来訪率が高いことが分かった。一方、来訪者内においても、全体比においても、購入経験者率はアマゾンの方が高く、来訪者に対する購入者の比率では、アマゾンは楽天の4倍にも達していた。「集客の楽天、購入のアマゾン」という情景が見て取れる結果といえる(【発表リリース】)。
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今調査は2012年7月13日から8月12日にかけて、許諾を受けた人のパソコン経由によるインターネット上の行動履歴を確認して集計されたもので、有効回答数は6688人。男女比は6対4、世代構成比は20代から60代まで10歳区切りで15%め26%・28%・20%・11%。
対象期間において、楽天にアクセスした形跡がある人は89%、アマゾンは68%となり、アクセスの上では楽天が20ポイント以上の差をつけていた。
↑ 訪問率と購入率
一方、購入率ははるかにアマゾンの方が上で、全体比では14%、来訪者で限れば20%の人が購入をしていた。つまり「アマゾンをアクセスした人の5人に1人はアマゾンで買い物をした」「楽天をアクセスした人の20人に1人は楽天で買物をした」ことになる(※楽天で「全体比購入率」と「訪問者中購入率」が同じとの結果が出ているが、これは公開資料が整数値までなのが原因。実際には全体比購入率が4%後半(例えば4.6%)で、訪問者中購入率が5%前半(例えば5.4%)だと推測される)。
さらにウェブ上で購入(決済)が行われた際に、「その直前」にどのようなサイトに居たかを調べたところ、「アマゾンで購入した人」の9%は直前に楽天にいたことが分かった。ブラウザを立ち上げた直後に直接URLを入力したりブックマークを使う場合もあるだろうが、それらを除いた「他のサイト経由でアマゾンにたどりつき、そこで購入した人」の1割近くは、楽天経由ということになる。逆のパターン「直前にアマゾンに居て、直後に楽天に移行し、そこで購入した」人は、他サイト経由で楽天に到達・購入した人のうちの2%でしかない。
↑ 楽天とアマゾン間における、個々の購入時場所と、直前アクセス場所の比率
購入したか否かは確認できず、さらにデータも2年前とやや古いものとなっているが、以前【ソーシャルメディアや検索エンジンと、アマゾン・楽天との関係は?…日本の主要通販サイトへのリンク元を調べてみる(2010年11月版)】で調べた結果でも、「楽天→アマゾン」はアマゾン到達者のうち5位に入っているが、「アマゾン→楽天」は楽天到達者の9位でしかなく、今件を納得させる値となっている。
↑ 日本の主要小売サイトへアクセスを渡している、サイトサービスたち(上にあるほど多くのアクセスを渡している)(2010年11月)(再録)
今回の調査結果を受けてカンター側では「『アマゾンで購入する人は、事前に楽天で商品を調べる』消費パターンが目立つようになっているといえそうです」とコメントしている。この推定を確定付けるには、さらなる調査が必要と考えられるが、直上の「ソーシャルメディアや検索エンジンと-」のデータも合わせると、信ぴょう性の高い話といえよう。
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