砂ぼこりが舞う場所限定「アレだね」と一発で分かる広告
2012/12/17 20:30
日本でも春先に良くあることだが、砂ぼこりが舞うと窓ガラスや自動車の車窓、ボンネットには即席のキャンパスが出来上がる。ちょっとお茶目なメッセージを書いた経験を持つ人は少なくあるまい。今回紹介するのはそのような経験を持つ人なら「なるほど」と思えてくる、砂ぼこりが舞う場所限定なものの、「あれだネ」と一発で分かるセンスにあふれたプロモーションである(【Creative Criminals】)。
スポンサードリンク
↑ Espi'ritu Jeepero。
これはクライスラーの四輪駆動車ブランドにして、今では一般的な四輪駆動車全体の代名詞としても使われている「ジープ(Jeep)」のメキシコでのプロモーション。ジープはオフロード、つまり舗装されていない荒れた道のりでその真価を発揮することでも知られている。泥まみれになってもそう快な走りを維持し、そのタフネスさは皆が知るところ。
↑ オフロードをバリバリ走るジープたち
一方メキシコの首都メキシコシティもまた、砂ぼこりが舞う場所でも知られている。街中に置かれた自動車の窓は、すぐに砂のカーテンで閉ざされてしまう。このような荒れた気候ではジープはよくマッチするのだが、あまり普及はしておらず、知名度も低いとのこと。
そこで考え出されたのがこのプロモーション。スプレーインクで文字などを描くのと同じ仕組みで、ジープの特徴ともいえる正面部分のフロントグリル部分をアイコン化し、さらに「SE VE QUE TE GUSTA EL OFF ROAD(ここは都市部だけど、この砂ぼこりはオフロードと同じだよね)」とのメッセージと共に、ジープの公式サイトのURLを型抜きした型のプレートを作成。
↑ 吹き付け用のと同じ仕組みでプレートを作成
そのプレートを元に、街中に点在している「砂ぼこりだらけの自動車」の車窓(後部の窓)に拭き掃除をして、アイコンやメッセージが浮き出るようにした。
↑ プレートの穴が開いた部分にだけ拭き掃除をすることで、型が浮かび上がる
街行く人々はメッセージを見ながら「確かに砂ぼこりはスゴイよな」と思いつつ、「ああ、あの形をした車ってジープっていうんだ」とジープの認識をすると共に、「ジープってそんなにタフなのか」「こんな状況でも平気なのかな」とその性能を印象付けられる。自動車の持ち主自身も、子供のいたずらよりもセンスがあり、なるほど感も強く、さらに見た目も格好良いことから、むしろ喜んだり、そのままにして走行を続ける人もいる。
↑ 街行く人もなるほど感
↑ 自動車の持ち主も思わずニヤリ
考え方は以前紹介した【雪の日限定「巨大なアレだ」と一発で分かる広告】と同じ。拭き掃除をすれば、あるいは雨が降れば跡形もなくなるので、片付けの心配もいらない。便利極まりない広告といえる。もっとも、砂ぼこりが多分に舞う場所でしか展開できないのが難点ではあるが。
スポンサードリンク