「結婚しても子供は少数」フリーターの子供保有希望数、学生や会社員と比べて少なめ

2012/11/18 07:10

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子育てライフネット生命保険は2012年11月5日、20代独身男性を対象にした実態調査結果を発表した。それによると調査母体のうち学生や会社員においては、将来結婚したとして授かりたい子供の数の平均は1.6人前後であることが分かった。一方でフリーターは1.2人を割り込んでおり、フリーターにおける子供保有願望の小ささを示す結果となっている。また子供を持った際の心配事としては「生活費や学費などの経済的な負担」がもっとも高い値を示しており、40代よりも20代の方が強い心配を抱いているのが確認できる(【発表リリース】)。



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今調査は2012年9月3日から5日にかけて、東京23区・政令指定都市居住の20代独身男性にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は450人で内訳としては会社員(正社員)は150人、学生150人、フリーター150人。他に比較対象として40代会社員(他条件は同じ、設問で問われていないので結婚・未婚の別無し)150人が回答に加わることもある。

以前【20代男性の彼女持ち、学生2割・会社員4割近く、フリーターは?】で触れた通り、20歳男性という区分においては、学生や会社員よりもフリーターの方が結婚願望が低い傾向が見られる。その多分の要因として、金銭的な不安定さが挙げられる。

↑ 将来結婚したいか(20代男性)
↑ 将来結婚したいか(20代男性)(再録)

今件では「仮に結婚したとして、現実的に将来子供を何人もうけると思うか」という問いをしている。こちらも結婚願望の度合いとほぼ同じような動きを示す結果が出た。

↑ 結婚したとして、現実的に将来子供は何人もうけると思うか
↑ 結婚したとして、現実的に将来子供は何人もうけると思うか

↑ 結婚したとして、現実的に将来子供は何人もうけると思うか(試算平均値)
↑ 結婚したとして、現実的に将来子供は何人もうけると思うか(試算平均値)

学生・会社員共に「1人」は2割足らず、大部分は「2人」で5割超え。あとは3人以上が10%内外となり、「子供はもうけない」とする意見が2割前後。これがフリーターとなると「1人」が2割超え、「2人」は3割足らずと大きく減り、「もうけない」が4割近くと大幅に増える。

平均値を試算したが、学生と会社員はほぼ同数(1.60人・1.55人)なのに対し、フリーターは1.17人と0.4ポイント前後低い値を示している。明らかにフリーターは「結婚したとしても、子供は少数」という意向を持っているのが分かる。特にフリーターは「子供はもうけない」との回答率が高く、これが平均値を押し下げる一要因となっている。

その理由としては「結婚しない理由」の上位にも挙がっていた「経済的問題」が容易に想像できる。次のグラフはフリーターに限らず会社員・学生も含めた上での回答だが、子供を持つことによる心配事の最上位には「経済的負担」が挙げられており、やはりお金周りが(特にフリーターにおける)希望子供数の押し下げに影響しているのが分かる。

↑ 子供を持つとどのような心配があると思うか
↑ 子供を持つとどのような心配があると思うか

「教育現場への不安」「子供の非行問題」など、実態を知って初めてその重要性・現実が分かりそうな項目は、40代の方が高い。それ以外はおしなべて20代の方が高い値を示しており、20代が「経済的観点をはじめ、さまざまな面から子作り・子育てに躊躇」しているようすがうかがえる。

この動きに関しては、単純に「知識・経験不足からの躊躇」以外に、若年層における立ち位置(特に経済面)の不安定さが、現在の40代と比べて不利な結果、20代で高い値を示すという考え方もできる。若年層の不安を解消できるよう、それより上の世代が積極的に支援してこそ、若年層も安心して世帯作り、子育てを考えられるようになるのだろう。


■関連記事:
【理想と予定、子供の数の推移…(下)理想数まで子供を持たない理由(2010年分反映版)】



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