月一以上利用者は1402万人、スマホ経由が漸増…mixi動向(アクティブユーザー、2012年9月)
2012/11/07 12:10
先日【mixiの現状(2012年9月末時点)】でお伝えしたように、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)【mixi】を運営する【ミクシィ(2121)】は直近の四半期決算短信を発表、説明会資料を公開した。それに伴い各種最新データが公開されたこともあり、以前まとめた「月間ログインユーザー(MAU)数」などのグラフの値を更新し、再構築化を行うことにした。
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ミクシィでは毎四半期決算短信の発表と共に、現状の解説と今後の抱負などをまとめた補足資料を開示している。その中には機能の変更や状況の変化(アプリの公開開始やスマートフォンの普及など、アクセス環境の大きな流れ)によってスタイルを変えつつも、mixiの規模を示す数字が示されている。それが「登録ユーザー数」であり「月間ログインユーザー数」”だった”。
定義としては
・月間ログインユーザー数……該当月に1度でもアクセスしたユーザー数(登録ユーザー数)。同一ユーザーが2度以上アクセスしても一人としてカウントする(延べ人数では無い)。MAU(Monthly Active Users)とも表記する。
となる。利用スタイルなどを想像すれば、実質的に「月間ログインユーザー数」が現在利用しているユーザー数で、それ以外は休眠状態・幽霊会員の類と見なして良い。アメリカの調査機関【Pew Research Center】でもソーシャルメディア関連の調査では一か月に一度の利用を「現実に使用しているか否か」の区切りの一つとしている場合が多い。
ところが先の記事にある通り、ミクシィ側では2012年度第1四半期決算短信から、「登録ユーザー数」の値を非開示としてしまった。リリース一覧から第2四半期のもの、例えば【『mixi』でつながりたい友人を探す仕組みに新機能「一緒にいる人とつながる」を提供開始】でも、
と表記しており、「ユーザー数」の表記が消えている。今後状況の変化がない限り、(登録)ユーザー数は開示しないものと考えられる。
ともあれ非開示となった以上、休眠状態・幽霊会員の値は算出できない。そこで今回は前回から続き、登録ユーザー数の更新なしのグラフ、そして今回から「MAUそのものと、スマートフォンMAU、パソコン+一般携帯のMAUの変移」グラフを生成する。
↑ mixiの登録ユーザー数・月間ログインユーザー数推移(万人)
↑ mixiのログインユーザー数(月一以上、万人)(2010年1月-)
登録ユーザー数の動向はすでに把握できない状況となったが、月間ログインユーザー数(MAU)は2011年初頭以降ほぼ横ばいとなり、今年に入ってからは減少の動きを見せている。
またMAUの中身を見ると、パソコンと一般携帯のMAUは早くも2008年中盤以降から減少し続け、2012年5月の時点でスマートフォンMAUと逆転してしまう。ただし、MAU全体が漸減を続けていることからも分かる通り、スマートフォンの増加分以上に、一般携帯電話・パソコン経由のユーザー数が減っているのが確認できる。
ちなみに「月間ログインユーザー数」の前四半期からの変化率推移は次の通り。
↑ mixiの月間ログインユーザー数前四半期比推移
2010年3月末で大きく伸びているのは、招待制を廃して、誰でも入会できるようにしたため。四半期変移でみれば、明らかに大きな効果があったわけだ。また2011年3月末の増加は、2月21日にAndroid携帯からの新規ユーザー登録が可能になったことに加え、東日本大地震・震災に絡み、地域の情報取得のためのソーシャルネットワークとして活用する人が新規登録をしたものと考えられる(ミクシィ側でも【各種コミュニティを臨時開設している】)。地域性の強いmixiの長所が発揮されたことになる。
しかしそれ以降は概して低調。今回期では前四半期比で3%強の下げを計上してしまっている。ある意味、震災が転換期の機会であり、それを活用しきれなかったがための下落なのかもしれない。
売上構造の変化、課金アプリの配信体制強化と【ミクシィ、mixiでの「足あと機能」復活を宣言・「利用者第一主義」を改めて表明】などにもある通り、今後ミクシィはmixiに対し、ロイヤリティの高い利用者の維持確保に注力していくものと考えられる。しかしそのような方針において、MAUの伸びが今一つ、というより漸減しているのは気になるところ。
スマートフォンの世間一般への浸透に連れて、大きく内情変化を見せるmixiが、今後どのような動きを示すのか。気になるところではある。
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