学校給食を残す理由、「体調不良」「量が多すぎ」それよりも……

2012/11/01 12:10

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嫌いなメニューの給食以前【小中学生が学校給食で好きなメニュー】でも記したように、日本スポーツ振興センター調査による【平成22年度児童生徒の食生活実態調査】を元に、小中学生の食生活を中心とした日常生活に関して、留意すべき、興味深い点を抽出し、チェックを進めている。今回は「学校給食を残している人の、残す理由」についてまとめることにする。



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調査方法や調査対象母集団など、調査要件に関する詳しい内容は、「小中学生が学校給食で好きなメニュー」を参照してほしい。

以前別記事で記したように、小学生は4-5割、中学生は3割強-6割ほどの割合で、学校給食を完食せず・できずに食べ残している。

↑ 学校給食は全部食べるか
↑ 学校給食は全部食べるか(再録)

それでは完食せず・できずに食べ残すのは、どのような理由があるのだろうか。複数回答で聞いた結果が次以降のグラフ。まずは小学生だが、最多回答項目は「きらいなものがある」。男女とも7割近くに達している。

↑ 学校給食を残す理由は(時々残す、いつも残す回答者限定)(小学生)(複数回答)
↑ 学校給食を残す理由は(時々残す、いつも残す回答者限定)(小学生)(複数回答)

先に【小中学生が学校給食で嫌いなメニュー】でも記したが、好きな料理よりは少ないものの、学校給食内で小中学生が嫌いなメニューは数多く存在する。これらの料理が出た際に、食べきれず、あるいは手もつけず、残してしまうというわけだ。

次いで多いのは「量が多すぎる」。食事の適切量は人それぞれのため、同じ量で配られる給食の場合、どうしても(適切量に対して)多い少ないが生じてしまう。給食の量が多いと思う人にとって、無理して食べて体調を崩しては身もふたもない。似たような事由で、食事にかかる時間は人によって異なるため、ゆっくりと時間をかけて食べる人にとっては、時間の短さを覚え、残さざるを得なくなる。

特にこの2項目は男子よりも女子の方が高い値を占めており、女子においては量と時間の配分さえ工夫されれば、完食率が十分上がることが示唆される結果ともいえる。

中学生となると、事情がやや変わり、男女差の大きさが目立つようになる(男子の値の高い順に項目整理)。

↑ 学校給食を残す理由は(時々残す、いつも残す回答者限定)(中学生)(複数回答)
↑ 学校給食を残す理由は(時々残す、いつも残す回答者限定)(中学生)(複数回答)

「きらいなものがある」のポジションは不動。一方で第二位以降は「男子…おいしくない、給食時間が短い、食欲がない」「女子…量が多すぎる、給食時間が短い、おいしくない」となるなど、順位・回答率共に大きな違いを見せる。特に小学生の時に男女差の違いで目立った「量が多すぎる」「給食時間が短い」は、さらに差を広げており、男女という区切りだけで見ても、均一化した給食による適切量配分という仕組みの限界が見えてくる。

とはいえ、例えば「自分の食事量に合わせるよう、適量を各自が取るように」という仕組みにすれば、特に男子が(場合によっては食べきれないほど)多めに取ってしまい、絶対量が足りなくなる。さらに給食費絡みで苦情が来るかもしれない。あるいは割り切る形で、一部の学校でイベント的に行われているバイキング形式の給食も、解決策の一つかもしれない。



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