Kindle Fire約1割…米タブレット機のシェアなど

2012/11/02 06:50

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タブレット機アメリカ合衆国の調査機関として名高い【Pew Research Center】は2012年10月1日に、同公式サイト上で、同国におけるモバイル端末とニュースに関する報告書【Future of Mobile News】を公開したした。同国内で普及を続けるモバイルメディア、そして利用者の行動様式の変化や現状、展望、特にニュース取得における動きを知ることが出来る調査内容となっている。今回はその中から、タブレット機の保有率動向について見ていくことにする。



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今調査レポートに関する調査の調査対象母集団や調査方法などに関しては、先に公開した記事【米スマートフォン・タブレット機所有者の利用スタイルの違い】にて説明済み

タブレット(PC)機のシェアは数年前まで圧倒的にiPadが多数を占めていたものの、この数年間にAndroid系端末が飛躍的に伸びる形となっている。「1メーカー単独の機種」としてはいまだにiPadが絶対多数に違いはないが、状況は群雄割拠な様相を呈している。またAndroid系の中でも、先日日本版の正式展開が公知されたアマゾンの電子書籍リーダーKindleの高性能版で、むしろタブレット機としての位置づけが的確なKindle Fireの伸びが著しい(【アマゾンのKindle Fireはタブレット市場の起爆剤に】)。

今調査母体、及びそれを含む一連の調査結果によれば、2011年7月時点では81%だったiPadの対タブレット機保有者比率は、直近の2012年6月-8月調査では52%にまで後退してしまった。もちろんこれはあくまでもシェア比であり、保有台数そのものが減ったわけではない。

↑ 米18歳以上・タブレット保有者のブランドシェア
↑ 米18歳以上・タブレット保有者のブランドシェア

Android系内でKindle Fireを区分すると、iPad52%・Androidその他38%・Kindle Fire10%となる。タブレット機の10台に5台はiPad、1台はKindle Fireという計算。以前の【電子書籍リーダーでKindleのシェア6割強…米電子書籍リーダーとタブレット機のシェア率】と比較すると多少の差異がみられるが、調査母体の違いによる差異かもしれない。いずれにしても、iPadとAndroid連合軍的なもののシェアはほぼ肩を並べている、Kindle Fireはタブレット機の1割程度のシェアを維持していることに違いはない。

タブレット機の浸透具合について別の視点、具体的には「大人全体に対するシェア」で見たのが次のグラフ。

↑ 米18歳以上のタブレット機保有率
↑ 米18歳以上のタブレット機保有率

直上記事や【「クリスマスはiPadネ」米の子供達が年末年始に欲しい電子機器は?】の通り、年末年始セール時にはタブレット機が大いに売れ、これがシェアの大幅な引き上げを後押ししている。直近の2012年8月時点では22%。さらに「保有はしていないが、家族保有の端末を日常的に自宅で使っている」人も3%に達している。これらを合わせた「タブレット機利用者」は実に25%となり、1/4に届いた計算となる。

報告書ではKindle Fireがタブレット機、とりわけAndroid端末の普及増大に拍車をかけたとすると共に、「スマートフォンでは46%がAndroid、iPhoneが38%、ブラックベリーが10%のシェア」「スマートフォンとタブレット機の双方を保有している人は、OSの点で共通性がある。iPadを持つスマートフォンユーザーの57%はiPhoneで32%はAndroidだが、Androidタブレットを持つ人のスマートフォン持ちのうち66%はAndroid、iPhone持ちは29%に過ぎない」としている。

↑ 保有タブレット機別・保有スマートフォン種類(タブレット機・スマートフォン双方保有者限定)
↑ 保有タブレット機別・保有スマートフォン種類(タブレット機・スマートフォン双方保有者限定)

操作系の問題やアプリケーションの融通など便利な点が多いことから、同じOSでタブレット機とスマートフォンを揃える傾向が強いのは当然といえる。とはいえ、ここまで明らかな違いが出ると、あらためて驚かざるを得ない。いわゆる「囲い込み戦略」の体現化というところだろうか。



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