関心のある人権課題、インターネット関連は36.0%

2012/10/27 12:10

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人権内閣府は2012年10月22日、人権擁護に関する世論調査の結果を発表した。それによると、日本における人権課題について関心がもっとも集まっている対象・項目は「障害者」で、4割近い人が関心・認識を示しているとの回答が得られた。次いで「子供」「インターネットによる人権侵害」「高齢者」と続く。男女別では概して女性の方が関心度が高く、世代別では対象としての項目「高齢者」以外は、若年層ほど強い関心を抱いている(【発表リリース】)。



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今調査は2012年8月23日から9月2日にかけて、20歳以上の日本国籍を有する人を対象とし、層化2段無作為抽出法で3000人を選択。それらの人に調査員による個別面接聴取法で尋ねたもので、有効回答数は1864人。男女比は841対1023、世代構成比は20代151・30代248・40代324・50代315・60代417・70歳以上409。

人権問題・課題の対象となりそうな、実際に問題化している対象や課題を列挙し、関心がある=認識を持つものを複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。最多回答率を示した項目は「障害者」で39.4%、次いで「子供」の38.1%となった。

↑ 日本における人権課題について関心があるもの(複数回答)
↑ 日本における人権課題について関心があるもの(複数回答)

3割超えは他に「インターネットによる人権侵害」「高齢者」、そして「東日本大震災に伴う人権問題」「女性」「北朝鮮当局によって拉致された被害者など」と続く。いずれもいわれのない、本人に責の無い事由で不利益をこうむったり糾弾されたり、差別(区別とは別)を受ける事例を見聞きする機会が多く、意識・関心も高いのだろう。

これを性別に見ると、概して女性の方が高い値を示している。

↑ 日本における人権課題について関心があるもの(複数回答、男女別、上位)
↑ 日本における人権課題について関心があるもの(複数回答、男女別、上位)

特に「子供」「高齢者」のような、男性よりは女性が現場の身近に居る場面、接する機会が多い対象には、関心も強い。他方「インターネットによる人権侵害」では男女の別なく高い関心を抱いている。

回答者の世代別では冒頭で触れたように、自らも被害を受け得る立場になりうる「高齢者」において、年上の回答者の値が高めに出ている。

↑ 日本における人権課題について関心があるもの(複数回答、世代別、上位)
↑ 日本における人権課題について関心があるもの(複数回答、世代別、上位)

「障害者」への関心度において世代間の差が出るのはやや意外だが、「子供」「インターネット」は接する機会を考えれば道理が通る。他方「東日本大震災」では世代による差異はほとんどなく、皆が高い意識をいだいている。

最後に経年別。

↑ 日本における人権課題について関心があるもの(複数回答、経年推移別、上位)
↑ 日本における人権課題について関心があるもの(複数回答、経年推移別、上位)

最大値を示していた「障害者」は昔はもっと値が高く、昨今では低下する動き。他方「子供」「インターネットによる人権侵害」は年を経るにつれて関心度が高まっており、認識される機会が増えていることが示唆される。



今件はあくまでも第三者による関心度のあるなしを示したものであり、実際の人権値問題の発生度・数を示したものでは無い。他方、例えば「インターネットによる人権侵害」のように、社会情勢の変化に伴うものと思われるものもあり、注目すべき動きといえる。とりわけモバイル端末のように便利なツールが子供にも浸透する昨今、大人自身も合わせ、十分啓蒙は行われねばなるまい。


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