「チョー」26.2%、「まったり」29.0%…変化する言葉の利用性向
2012/10/20 07:25
文化庁は2012年9月20日、毎年実施している【国語に関する世論調査】の2011年度版(概要)を発表した。それによると「足がすごく速い」と表現すべきところを「すごい速い」との言い方をすることがある人は5割近くに達していることが分かった。「とてもきれいだ」を「チョーきれいだ」は26.2%、「ゆっくり、のんびり」を「まったり」とする人は29.0%との結果が出ている(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2012年2月から3月にかけて日本全国の16歳以上の男女に対して個別面接調査方式にて行われたもので、有効回答数は2069人。男女比率・世代比率は未公開。
皆が見聞きしている場での言い間違いや、有名人の口癖、ある作品での独自の表現、情報伝達手段の変遷など原因はさまざまだが、話し言葉などにおいて言い回しが変化することは多々ある。文法的に、意味的に間違っていても、その表現が世間一般に浸透してしまうことも少なくない。
今件項目ではそのような「言葉の変化」にスポットライトを当て、具体的に12項目を提示した上で、その言い回しをすることがあるか(頻度は問わず)について尋ねている。一部項目は2003年度の回答と併記しており、時代の流れに伴う変化も推し量れる。
↑ 口頭における言い回しの変化(該当する言い方をすることがある人の割合)(空欄は調査無し)
自分が使っているか否かは別として、どれも聞いたこと位はあるはずの表現ばかり。リリースの解説では暗にこの表現方法は間違い、または新しい造語・意味を定義づけられた言葉であることを示唆しているが、今回指摘されて初めて「この使い方は間違いだったのか」「本当は別の意味だったのか」と気が付くほど、使い慣れている人も少なくあるまい(例えば「まったり」は元々料理の味わいを示す表現で「コクがあり奥深い」様子を意味する言葉だったが、前世紀末から放映を開始したNHKアニメ「おじゃる丸」で「ゆっくり、のんびり」を意味する言葉として用いられたことから、一般にその意味で普及・浸透しつつある)。
もちろんこれの多くは口語であり、親しい仲で用いる場合はともかく、ビジネス文章や業務時に使うことは薦められない。例えば他社からの提案書に「この商品はチョー人気です」「この設備を使えばお店も全然明るくなります」と書かれていたら、どのような想いを抱くだろうか。くれぐれも注意してほしいものだ。
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