「はかる」「おさめる」「もと」、漢字の使い分けは難しい!?
2012/10/17 12:10


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今調査は2012年2月から3月にかけて日本全国の16歳以上の男女に対して個別面接調査方式にて行われたもので、有効回答数は2069人。男女比率・世代比率は未公開。
今件事例にもある「かえる」という言い回しを漢字で当てはめると「変える」「換える」「替える」「代える」などが想定される。どれも読み方は「かえる」だが、意味としてはそれぞれ「様子、あり方の変わり様、変化」「交換。主に行動。とりかえること」「交替。入れ替え。主に物」「代理・代替。別物で特定の物の役目を果たさせる」を意味する。例えば野球の試合でピッチャーを新しい選手に引き継いでもらう場合は「投手を代える」であり、「投手を変える」では無い(マウンド上で変身はしない)。
この事例のように「異字同訓」(書き文字・意味が違うが訓読みは同じ)漢字について、使い分けが難しいか否かを尋ねた結果が次のグラフ。提示された5例では「はかる」の使い分けがもっとも難易度が高く、42.4%の人が「難しい」と答えていた。

↑ 次の異字同訓の漢字の使い分けは?
正しい使い方を覚え、それを繰り返し使っていればさほど難しいものではないが、使い慣れていなかったり、判断に迷う事例は少なくない。また最近ではパソコンやモバイル端末で自動変換・ワープロ機能を用いて文章を書く場合が多く、つい変換時の最上位に来る漢字を使ってしまいがちである。また当結果では「かたい」について67.1%は「難しくない。使い分けはできる」と答えているが、本人が普段書き記している「使い分け」の結果が正しいか否かまでは判断できないのが実情だ(実際の漢字とは間違ったまま使い分け、それを正しいと思っているかもしれない)。
それでは使い分けが難しい異字同訓があることについて、どのような想いを抱いているか、それを択一で聞いた結果が次のグラフ。

↑ 異字同訓の漢字の使い分けについてどのように思うか
最多回答項目は「辞書や書籍を参考にして使い分ければよい」で32.7%。要は正しい事例を元に使い方を習得していけば良いということ(もっとも辞書はともかく書籍の場合は、参考にした書籍自身で使い方が間違っている場合もあり、注意を要する)。
次いで多いのは「現状のままで特に困るようなことは無い」。元々上記5例でも「難しくない」とする回答は4-6割に達しており、その人たちの多分はこの回答をしていると考えられる。とりわけ不便を覚えることは無い、ということだろう。一方で「使い分け方を再整理した方が良い」との意見も2割強見受けられるが、その行為に意味があるのかという疑問や、現状維持派が多数を占めることも合わせて考えると、その願いはかないそうにもない。
上記でも触れたが、特に昨今はワープロ機能の恩恵もあり、異字同訓の漢字の使い分けがおざなりになりがちである。気を付けたいものだ。
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