1983年は33.0分、今は21.5分…男性会社員の昼食時間の変化(最新)

2024/07/19 02:48

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2024-0713一日の多分を職場で過ごすことになる男性会社員にとって、数少ない憩いのひとときが、お昼休みの間に取る食事の時間こと昼食時間。それでは昼食時間は、昔も今もその長さに変化は無いのだろうか。それとも昼食スタイルの変化や食事そのものの移り変わりとともに、変わり映えを見せているのだろうか。今回はこづかい動向を中心に会社員のライフスタイルを長年にわたって定点観測している、新生銀行の「会社員のお小遣い調査」、および2012年に発表したその調査の中長期的な集約レポート「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」を基に、公開されている範囲での動向を探ることにする(【新生銀行・おこづかい調査一覧】)。

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お昼ご飯を食べる時間は短くなりつつある


今調査において昼食時間の具体的値(平均値)を調査・公開した年は1983年・1993年と2012年以降は毎年(2013年は全体値のみ)。また、1983年は10分以下の選択肢、1993年は「食べない」の選択肢が無いなど多少条件が異なるものの、大勢を推し量ることはできる(見方を変えれば前世紀では「昼食無し」「10分以下で食べ終える」との状況は想定しにくかったものと考えられる)。さらに2016年以降は一部において昼食時間も含めたお昼の休憩時間を「ランチタイム」と定義し公開している(ランチタイム=昼食時間+昼食以外の自由時間)。

まずは年齢階層別の平均昼食時間変遷(グラフの体裁上、直近10調査分のみを反映させている)。グラフの範囲では横ばいの気配を覚えさせる。あるいは、全体の値がいくぶん減少傾向にあると読めるだろうか。

↑ 男性会社員の平均昼食時間(空欄は未調査・未公開、年齢階層別、分)
↑ 男性会社員の平均昼食時間(空欄は未調査・未公開、年齢階層別、分)

昼食時間の年齢階層別差異はあまり無い。30代がやや長いようにも見られるが、誤差の範囲。直近で30代と40代が大きく減っているのが気になるところ。

時代による変遷度合いはといえば、ほぼ横ばいで推移している。ただし30代と40代、そして全体値はわずかずつだが時間が短くなっている動きを示しているようにも見える。逆に20代は2019年を底に長くなっているようだ。

2012年に発表された白書では「近年、サラリーマンは昼食も惜しんで働いているのでしょうか」との推測コメントがあった。それを裏付ける資料は無いものの、今においても、あながち間違っていないものと思われる。あるいは実態調査精査記事【意外に気になるお昼のお食事時間事情】で言及した通り、昼休みの時間(ランチタイム)において、昼食をできるだけ早めに済まし、男性ならばインターネット閲覧や休息、女性ならば同僚とのおしゃべりに費やす方向性にあるのかもしれない。

10分以内に食べ終える人、結構います


「早食い」への動きをさらに顕著に確認できるのが、回答項目の具体的区分による動向。回答値を「食べない」「10分以下」「それ以上」の区分で計算し直したもの。今項目は現時点では1993年・2012年と2015年以降の動向を精査可能だが、それらを比べると2012年は1993年と比べて10%ポイント強も「10分以下」の層が増えている、見方を変えると「それ以上(=11分以上かけて昼食を取る)」人が減ったのが分かる。

なお2016年以降は昼食の時間だけでなく、その他の余暇時間・自由時間も含めたランチタイム全体における時間区分の結果しか公開されていないため(グラフにもその値を反映している)、必然的に「10分以下」の回答値はこれまでと比べて小さくなっている。ただし「食べない」はランチタイムがどれだけあろうと昼食時間がゼロには違いないため、そのまま過去の様式を踏襲した形。

↑ 男性会社員の平均昼食時間(短時間派の動向、出勤日、2016年以降は昼食時間に加えて休憩時間も加えたランチタイムの動向)
↑ 男性会社員の昼食時間(短時間派の動向、出勤日、2016年以降は昼食時間に加えて休憩時間も加えたランチタイムの動向)

2012年当時の白書では「ランチのお店の選び方も味やお店のきれいさよりも、安くて近いところを好む傾向がある」「ランチタイムはせわしくなっている」との説明がある。それを反映したような数字が出ている。2015年ではその説明と同じような動きを示している。

2016年以降は上記説明の通り、昼食時間ではなくランチタイムの動向のため、2015年と比べて10分以下の回答値が少なくなっているのも当然の話。とはいえ、昼食を取らない人が数%おり、さらに昼食時間も含めたお昼の休憩時間が10分以下しかない人が1割前後いることは、個人的・健康的な事情によるもののみの数字とは考えにくい。2017年を底として年々「10分以下」の全体値が増える傾向にあるのも気になるところだ。


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