親が子供に本を読み聞かせる頻度、自ら読む頻度

2012/10/10 12:10

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読み聞かせベネッセの次世代育成研究所は2012年10月4日、年少児から小学1年生における家庭教育調査結果の概要を発表した。それによると調査母体のうち小学校入学前の幼少時(3-5歳)の子供を持つ保護者においては、3歳児で9割以上、5歳児でも8割近くが月一以上で本や絵本を読み聞かせていることが分かった。3歳児なら3割近く、5歳児では1割強がほぼ毎日聞かせている。また、子供が自ら本などを読む頻度は、親の読み聞かせ頻度と相関関係にあるとの結果も出ている。



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今調査は2012年1月から2月にかけて、年少児(3歳児クラスに通う子供)から小学1年生の子供を持つ母親1万4000人に対して郵送法で行われたもので、有効回答数は5016人。

幼少時における親の子供への、絵本や本の読み聞かせは、情緒教育の点で非常に重要。親子の接する時間を積み上げるだけでなく、子供の知らない世界を疑似体験させたり、日頃の生活への洞察力を高めさせてくれる。また、子供本人以外の人との世界の共有という感覚を覚えさせる、読み書き学習の足掛かりになるなど、メリットは計り知れない。

今調査項目では小学校に入学する以前に限定し、保護者がどの程度の頻度で子供に絵本や本の読み聞かせをしているかを尋ねている。概して子供が小さいほど、高い頻度での読み聞かせが確認できる。

↑ 日頃どの程度の頻度で子供に絵本や本の読み聞かせをするか
↑ 日頃どの程度の頻度で子供に絵本や本の読み聞かせをするか

5歳児になると2割強が「ほとんど無い」「無回答など」で占められ、「ほぽ毎日」も13.9%に留まる。さらに高頻度の回答項目も歳と共に減ることから、「読み聞かせをする・しない」だけでなく「する場合の頻度」も減少している。子供側の行動の多様化や、子供自ら読み始めたり、恥ずかしがったりするのかもしれない。

一方、その「子供が自分で読む」行動だが、その頻度について少なくとも年少児では「親の読み聞かせ頻度」と高い相関関係にあることが確認されている。

↑ 子供が一人で絵本・本に接する頻度(年少児)(親の読み聞かせ頻度別)
↑ 子供が一人で絵本・本に接する頻度(年少児)(親の読み聞かせ頻度別)

元資料では「親が子どもに絵本や本を読み聞かせる頻度が高いほど、子どもが1人でも絵本や本に親しむ割合が高くなる傾向がみられた」との説明のみに留まり、相関関係はあるものの、因果関係には言及していない。確かにこの数字だけで因果関係まで説明するのは難しい。親の読み聞かせ頻度が高い環境では、読む本がたくさんあるのかもしれないし、親自身も読書頻度が高く子供がそれを真似する形で本を読もうとしているかもしれないからだ。

とはいえ、「保護者が読み聞かせる機会が多いほど、それに慣れ親しんで子供も自ら積極的に本を読もうとする」という因果関係の推論は、あながち的外れでも無い。



やや気になるのが、今件では対象としていないと考えられる電子書籍周りの話。スマートフォンやタブレット機を用いて、電子書籍の類を子供に読み聞かせる、あるいは一人読みさせるという事例は確実に増加している(【新世代の子供達...iPadを楽しむ2歳の男の子】)。いわゆる「デジタル・ネイティブ」な子供たちの誕生なわけだが、一般(非デジタル)書籍との違いはあるのだろうか。今後の調査の際には、この点にも着目してほしいものだ。


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