震災起因か、高まる自主防災組織への関心と参加意欲

2012/10/09 12:00

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消防内閣府は2012年10月4日、消防に関する特別世論調査の結果を発表した。それによると消防団などの自主防災組織に興味関心を持つ人は8割を超え、9年前に実施した同様の調査結果と比較して約19ポイントも増加していることが分かった。個々の防災組織や防災技術への参加意欲・関心度も上昇しており、多分に昨年の東日本大地震・震災が大きく影響したものと考えられる結果が出ている(【発表リリース、PDF】)。



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今調査は2012年8月23日から9月2日にかけて20歳以上の日本国籍を有する人3000人に対して個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は62.1%・回答者は1864人。男女比・世代構成比などは非公開。

消防機関としては公的機関の立ち位置から運用されている消防署などの他に、地域レベルで住民有志による消防団が存在し、有事の際には活躍することになる。先の震災においても、多数の消防団の奮戦ぶりが伝えられている。

この消防団をはじめとする自主防災組織について、関心のあるなしを尋ねた結果が次のグラフ。全体では45.8%が強度の関心を持ち、35.9%がどちらかといえば関心があると答えている。

↑ 自主防災組織に対する関心度
↑ 自主防災組織に対する関心度

9年前にほぼ同条件で同じ調査が実施されているが、その結果と比べると、特に「強い関心」の回答者が大きく増え、「どちらかといえば無し」がその分大きな減少ぶりを見せているのが分かる。「関心はまったくなし」の回答者が増えたのが気になるが、全般的には自主防災組織への注目度は高まっているとみなして良い。

それでは自主防災組織が通常時、非常時に行う事柄で、どのようなものに関心を持ち参加したいと考えているのか。トップは災害そのものの知識や、発生時の対応を正しく習得するための講習で、約半数の人が参加を望んでいた。

↑ 自主防災組織への参加に対する意識
↑ 自主防災組織への参加に対する意識

「初期消火や救助や応急手当などの活動」こそほぼ同じ値を示しているが、それ以外のほとんどの項目で2003年当時と比べて2012年は高い値、つまり積極的な参加姿勢が示されている。中には2倍以上の飛躍を遂げた項目もあり、注目に値する動きと言える(情報伝達系のものに多く、過去においては重要視されてこなかったこと、今般の震災で人々がその重要性を強く確認したことなどが想像される)。

昨今では地域内のつながりが薄く社会問題化されていたが、先の震災では隣人をはじめとする近所づきあいの大切さを認識し、行動・考え方を改める人も出てきている(【震災を経て強まる「他人への配慮」】)。自主防災組織への参加意識の高まりもまた、この流れに沿ったものと考えられよう。



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