非正社員から正社員になりたい人が思う「こんな仕組みが欲しい」

2012/10/07 06:50

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サポート連合は2012年9月28日、転職に関する調査結果を発表した。それによると転職経験者または転職活動中から成る調査母体のうち、非正規雇用の立場にある・あった人においては、非正規雇用(非正社員)から正規雇用(正社員)になるためには「同一組織内で正規雇用が可能になる社内制度」があれば役立つと思う人がもっとも多いことが分かった。6割強の人が実感している。非正規雇用でも勤めている・いたその職に、少なからず愛着・やりがいを持ち、出来れば正社員として勤めあげたいとする思いを持つ人は多いようだ。次いで「正規雇用化を支援する政策」「資格取得を支援する政策」が続いている(【発表リリース、PDF】)。



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今調査は2012年8月10日から21日にかけて、転職経験がある有職者、または転職活動者を対象に携帯電話経由によるインターネットを用いた方式で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比、世代(20代-50代までの10歳区切り)区分は均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。

先に別記事で記したが、転職活動時にもっとも役立つ、有益だったものは「資格」がついた。5割近い人は「転職の際に自分の資格が有利に働いた」と答えている。

↑ 転職する際に役立ったと思うもの(複数回答)
↑ 転職する際に役立ったと思うもの(複数回答)(再録、転職先が正社員化に限らないことに注意)

それでは自分が非正社員だった・である場合、どのような仕組みがあれば正社員として転職しやすくなるだろうか。複数回答で聞いた結果が次のグラフ。最上位には「同一組織内で正規雇用化が可能になる社内制度」で62.3%の人が望んでいる。

↑ 非正規雇用から正規雇用になるために、あったら役に立つと思うもの(複数回答、これまでに非正規雇用での就労経験者)
↑ 非正規雇用から正規雇用になるために、あったら役に立つと思うもの(複数回答、これまでに非正規雇用での就労経験者)

正規雇用までの一定期間だけ「仕方なく」非正規雇用の立場で就労している人以外は、何らかの形で(非正社員でも)その職に愛着・やりがいを持つ。あるいはやる気が上がらないような職でも、就労しているうちに生きがいを覚えるようになるかもしれない。今は非正社員だが、できることならこの場でずっと働きたいので、(さらに注力できるよう、権限を与えられるように)正社員に引き上げてほしいと考える人が多いのも道理といえる。また、非正社員の時点で自分の働き具合は十分に現場レベルでアピールできているのだから、他の飛び入りでの就活者よりも優位に働くと考えるに違いない。

同一企業での就労がかなわなくても、国、あるいは自治体レベルで「非正社員から正社員へ」の流れを後押しする政策を実行してくれれば、大きな励みになる。似たような形で、雇用の際に大いに役立つ「資格」の取得を手助けしてくれる政策があれば、間接的に正社員へのステップアップもしやすくなる(上にもあるように、実際、転職する際に役立ったものの最上位には「資格」が挙げられている)。さらに「スキルアップのための社内の教育支援」「自分が持つスキルと求人をマッチングするサービス」などが役立つ仕組みとして続く。

4割超えで上位陣に挙げられるものをまとめると、非正社員として働いている職場で正規雇用をしてもらうための仕組みを求める動きと、その場か否かはともかく正規雇用してもらうための公的な後押しを求める動き、この2つに集約される。前者は個々の企業の対応次第、後者は「お上」の対応次第。現実には仕組みが作られ、支援策が呈されても、肝心の正社員雇用の需要(求人)が無ければ正社員としての雇用はかなわないものの、双方とも正社員化を求める人には大きな支えとなるはずだ。


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