転職時役に立つもの、資格、職歴、コミュニケーション能力
2012/10/05 06:50
連合は2012年9月28日、転職に関する調査結果を発表した。それによると転職経験者または転職活動中から成る調査母体においては、転職時に役に立ったものとしてもっとも多くの人が挙げたのは「資格」だった。次いで「職歴」「コミュニケーション能力」が続く。世代別に見ると歳を経るほど「資格」が増え、「年齢」「コミュニケーション能力」「第一印象・見た目」などが減る傾向が見受けられる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2012年8月10日から21日にかけて、転職経験がある有職者、または転職活動者を対象に携帯電話経由によるインターネットを用いた方式で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比、世代(20代-50代までの10歳区切り)区分は均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
先に【転職先探しに使ったもの、6割強は「ハローワーク」】で記した通り、転職経験者(現在進行形含む)が使ったことのあるものとしては、ハローワークや知人などからの紹介、転職情報誌が上位を占めていた。
↑ これまでの転職で、転職先を探すために利用したことがあるもの(複数回答形式)(再録)
それでは実際に転職活動時に、どのようなものが有益だった、役に立っただろうか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフだが、最上位には「資格」がついた。5割近い人は「転職の際に自分の資格が有利に働いた」と答えている。
↑ 転職する際に役立ったと思うもの(複数回答)
トップの「資格」、第二位の「履歴」、共にある程度前職で取得してなければ手に入れられないもので、見方を変えれば「かけがえの無いアドバンテージ」ともいえる。また、雇用する企業側としても判断しやすい材料であり、「役立つ」のも道理といえる。似たようなものとして「学歴」も選択肢として挙げられているが回答(=お役立ち)率は低め、さらに「縁故」は低い値なのも興味深い。
一方「コミュニケーション能力」は新人社員や年収アップのために必要なスキルとしても良く取り上げられる能力(【年収アップのために欲しいスキル、トップはプレゼンでも書類作成でも無く……】)。営業系はもちろん、事務系でも他人と接触する機会がある以上、この能力が無ければ問題が生じるリスクは大いに高まる。雇う側でも高リスクを抱える人材は望ましくないと考えるのは当然の話。
これを世代別に区分したのが次のグラフ。
↑ 転職する際に役立ったと思うもの(複数回答)(上位5位、世代別)
「資格」「職歴」は歳を経るほど「役立った」という回答率が上がる。前職で会得した資格や職歴が積み重なり、高く評価されるからだろう。ところが50代になると双方ともやや値を落とす。いくつかの可能性があるが、「価値が高すぎて企業側がそれに見合う報酬を払えそうにない」からなのか、あるいは「これだけ高スキルを持つのになぜこの年代で」と逆に疑われる可能性も考えられる。
一方「コミュニケーション能力」「第一印象、見た目」「年齢」はいずれも若年層の方が高い。「年齢」はもちろん「若い方が柔軟性がある」「長い期間企業で就労させることができる」だが、その他の「コミュニケーション能力」「第一印象、見た目」は一見した上では企業側は判断が付きにくいモノ。「資格」「職歴」そして「年齢」のように動かしがたい確実なものでアピールが難しいだけに、「コミュニケーション能力」「第一印象、見た目」で自らを売り込もうとした結果なのかもしれない。
「職歴」はともかく、「資格」「コミュニケーション能力」は転職時だけでなく、在職時でも十分に役立つ能力。転職の可能性、希望のある無しを別にしても、取得を試みる・学んでおくに越したことはないはずだ。
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