米豪仏9割、日本でも7割が「ネット上に情報多すぎ」
2012/10/06 07:00
半導体メーカーのインテルは2012年9月5日、諸外国の携帯電話・インターネットの利用性向とマナーに関する調査結果を発表した。そこには主要8か国(オーストラリア、ブラジル、中国、フランス、インド、インドネシア、日本、アメリカ合衆国(アルファベット順))におけるデジタルマナーの認識の共通点、国毎の違いが見える結果が多数記載されている。今回はその中から「ネット上で共有されている情報量の多さに関する感想」と「なぜネット上で情報共有をするのか、その理由」について見ていくことにする(【発表リリース】)。
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今調査は2012年3月にアメリカ合衆国(以下アメリカ)国内の18歳以上、そしてそれとは別に13-17歳の男女に対してオンラインで行われたもの。同様の調査が2012年6-8月に18歳以上、13-17歳の男女に対しオーストラリア、ブラジル、中国(18歳以上のみ)、フランス、インド、インドネシア、日本に対して行われ、統計値が用いられている(全体で大人7087人・子供1787人が回答)。また今件調査におけるモバイル(端末)とはスマートフォン、タブレットマシン、ラップトップ、ネットブック、一般携帯などを意味する。
書籍などのような物理的形状と比べ、デジタルを用いた情報の保存や流通(共有)は、場所は取らずに済むし時間差もあまり気にしなくて済む。「大量に保存し、流し、ダウンロードしてもせいぜいハードディスクの残り容量が減るだけで、書籍のように部屋の中が敷き詰められるわけではない」とばかりに、量を気にせずにインターネット上に情報を流し、共有している人も多いはず。
一方、それらの情報は得てして第三者、場合によっては投稿者自身にも「ジャンク(ごみ)」扱いされ、検索エンジンの精度を下げ、インターネットという電子の海をゴミで埋めていくことになる。このように、他人(そして恐らくは「自分も」という意味も込めて)がインターネット上で過剰に情報を流しすぎている、共有しすぎていると考えている人は、各国で高い値、8-9割を占める結果となった。多くの人が「ノイズ」に苦しんでいると推測できる。
↑ 他人がネット上で情報を流しすぎていると思う人(大人/子供)
大人と子供では大人の方が回答率が高い。子供はまだ「情報多すぎて不便だな」と思う事態を感じるほど、インターネットを使いきれていないのかもしれない。また日本の値は諸外国と比べて低めだが、こちらの理由は不明。検索エンジンなどの使い方に長けているからなのか、あるいは言語の壁が逆に功を奏してるのだろう。あるいは情報の共有意識そのものがまだ低いのかもしれない。
それではなぜ人々はそこまでして、大量の情報を共有しようとするのだろうか。自分の経験則も含めた一般論として答えてもらったのが次のグラフ。
↑ なぜ人々はオンライン上で情報を共有するのか
さすがに「癖(くせ=習慣)だから」という回答は少なめだが(それでも中国はそれなりに多い)、「他の方法では共有できないから」の項目は色々と考えさせられる。インドやインドネシアの高さはインフラ整備の問題、中国の場合はそれに加えてさまざまな規制によるものと考えられる。
「友達」「他人へのアピール」「同じ趣味を持つ人を探す」はいずれもブラジル・中国・インド・インドネシアで高いが、前に【ブラジル、中国、インドは積極的…モバイルと情報共有の関係】でも示したように、これらの国は「モバイル端末を用いて「インターネットで」情報を共有している」人の割合も高い。今件項目はモバイル端末以外も含めたインターネット全体での情報共有について聞いているが、身近な存在として常日頃からモバイル端末を使っているだけに、それを通じて他人との交流を求めたくなるのだろう。
他方、「自分の考えを公知したい」(自分から相手へ。自己主張の意味合いが強い)と「他人と情報的に接したい」(互いに。つながりを実感したい)を比較すると、前者はブラジル・中国が高く、後者はインド・インドネシアが高い。それぞれの国の国民的特性が多少なりとも出ているように興味深い。
また先進諸国を見ると、(地理的問題からか)オーストラリアは比較的高い値を示すものの、フランスや日本、アメリカは低め。特に日本はほとんどの項目でとりわけ低い値に留まっている。最初のグラフでも低い値を示していることから、日本は他国と比べて情報の共有そのものの意識が薄いのかもしれない。
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