都市圏はネットと従来メディアを駆使、地方はネットへの関心が薄い…米地域ニュース取得方法の違い
2012/10/04 12:00


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今調査は2011年1月12日から25日にかけてアメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女のうち、RDD方式で選ばれた電話番号に対してかけた人を対象に、通話インタビューにて行われたもので、有効回答数は2251人。そのうち固定電話は1501人、携帯電話は750人(うち332人は固定電話無し)。インターネット利用者は1762人。2010年の国勢調査結果に従ったウェイトバックが行われている。
今報告書では居住地域の様式・開発度を4つのタイプ「大都市」「大都市付近の近郊」「小都市、街」「地方」に区分している。しかし設問・報告書にはそれらを区分する明確な定義は無く、回答者がこの4区分の中から「自分の判断に従い」回答している。世間一般の常識として浸透している区分で答えていると考えれば、まず間違いはない。

↑ あなたはどのタイプの環境に住んでいるか(再録)
個々の居住地区区分別に、自分の周辺環境のニュースを取得するため、少なくとも週一以上でどれだけの情報源を用いているかを尋ねた結果が次のグラフ。ちなみにこの情報源とは地方紙や全国紙、テレビのような旧来型、携帯電話やパソコンを使ったオンライン経由(新聞企業の公式新聞サイトも含む)などを指す。

↑ 地域ニュースを取得するために週一以上で用いている情報源数
ほとんど使わない人の割合には変わりがないものの、一定以上の積極さで複数の情報源を使う人に限れば、概して都市圏ほど数が多い。これは多分にオンライン系の利用率が高いことに由来する。
都市圏ほどオンライン系の情報源「も」多用することが良くわかるのが次のグラフ。情報取得のために使っているメディアの種類を示したものだが、都市圏ほどオンラインをよく使う傾向がある。

↑ 地域ニュースを取得するためにどのような情報源を使っているか
大都市より郊外の方がよりオンラインに傾注しているのは興味深い話だが、ともあれ都市圏ほどオンラインの情報源をよく使う傾向がある。この傾向について報告書では「元々都市圏は地方よりも若年層の割合が高い。そして若年層は壮齢層よりもデジタルメディアに精通している。結果として都市圏ほどデジタルメディアに精通する若年層が多いので、情報取得のツールとしてもデジタルメディアの利用が多くなる」と説明している。インフラ整備の状況に加え、世代構成比率の違いが、地域における情報インフラの利用状況に変化を生じさせているということだ。
また、この結果の限りでは、都市圏・近郊では約半数の人が、地域情報取得のためにモバイルを用いていることになる。広い面積を持ち高性能なスマートフォンの浸透で、この比率は今後ますます増加していくに違いない。
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