ブラジル、中国、インドは積極的…モバイルと情報共有の関係
2012/10/02 07:00
半導体メーカーのインテルは2012年9月5日、諸外国の携帯電話・インターネットの利用性向とマナーに関する調査結果を発表した。そこには主要8か国(オーストラリア、ブラジル、中国、フランス、インド、インドネシア、日本、アメリカ合衆国(アルファベット順))におけるデジタルマナーの認識の共通点、国毎の違いが見える結果が多数記載されている。今回はその中から「モバイル端末を用いた情報の共有性向」について見ていくことにする(【発表リリース】)。
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今調査は2012年3月にアメリカ合衆国(以下アメリカ)国内の18歳以上、そしてそれとは別に13-17歳の男女に対してオンラインで行われたもの。同様の調査が2012年6-8月に18歳以上、13-17歳の男女に対しオーストラリア、ブラジル、中国(18歳以上のみ)、フランス、インド、インドネシア、日本に対して行われ、統計値が用いられている(全体で大人7087人・子供1787人が回答)。また今件調査におけるモバイル(端末)とはスマートフォン、タブレットマシン、ラップトップ、ネットブック、一般携帯などを意味する。
今調査母体に対して、モバイル端末を使って「インターネットで」他の人と情報共有をしているか否かを聞いたところ、多くの国で8-9割の人が情報共有をしていると答えた(大人限定、以下同)。
↑ 自分のネット接続可能なモバイル端末を用いて「インターネットで」情報を共有している人の割合(大人)
やや低めなのはフランスと日本。逆に高めなのはブラジル、中国、インド、インドネシア。いわゆる新興国と呼ばれる国々で、後述するが情報共有する頻度も高い。
それではモバイル端末を使ったネット経由での情報共有の頻度はどれぐらいだろうか。択一で答えてもらったのが次のグラフ。赤系統が濃いほど高頻度を意味する。
↑ 自分のネット接続可能なモバイル端末を用いて、「インターネットで」どの程度の頻度で情報を共有しているか(択一)(大人)
飛びぬけて値が高いのはブラジルとインド。特にブラジルは16%もの人が「一日中何度となく、引っ切り無しにモバイルを使ってネットで情報のやり取りをしている」と回答。次いで中国も高く、この3国は4割超の人が一日一回以上はモバイル端末を用いてインターネット経由で情報の共有をしていることになる。
逆に値が低めなのはオーストラリア、フランス、日本、アメリカ。特にオーストラリアとフランスでは月数回以下しか共有していない人が半数を超えている。
多分に「モバイルでネット経由にて情報共有頻度が高い国」はモバイルによるインターネット率の底上げがなされた国であることが多い(単なるモバイルでありインターネットへのアクセス機能のあるなしは問われていないが、【各国の固定電話と携帯電話の普及率推移(新興国編)】が参考になる)。モバイル中心のネットライフを過ごしている人が多いであろうこと、元々情報に飢えていた人がモバイル端末を手にして一挙に「世界」が広がったパターンが多数推測できることを考えれば、情報共有者の割合が高く、頻繁にアクセスして盛んにやり取りをするのも納得ができる。
今件はあくまでも「インターネットによる調査」であることから、それなりに環境に恵まれた人の回答のため、各国の実情をそのまま丸ごと表している「とは言い切れない」。しかし同時に、モバイル端末の(特に新興国での)普及が、情報共有という観点でいかに重要な役割を果たしているか、その一端を垣間見れる結果といえよう。
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