封筒に一工夫して仕事をアピールする方法
2012/09/26 06:45
ファックスや電子メールがどれほど浸透しても、紙の書面は無くならず、当然郵便や宅配による封筒のやり取りも盛んに行われることになる。多くの企業では無地の封筒では無く、会社のロゴや住所などの連絡先を刷り込んだ独自の封筒を用いているが、その際にちょっとした工夫を施すことで、自社の事業をセンス良くアピールしている会社もある。今回はそのような事例を二つほど紹介することにしよう。
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まず一つ目はオランダの清掃会社Glazenwasserij Logchies juniorが用いている社用封筒(【Logchies Junior Window Cleaners: Envelopes(The ADS of the world)】)。
↑ Logchies Junior Window Cleaners: Envelopes
これは透明なビニールなどを使って小窓を創り、送り先住所を内部の書面であらわすタイプの封筒。その小窓の部分にこの会社の従業員がハシゴで乗り付けたり、長いブラシを使い、窓ふきをしているように見せているもの。実物をリアルで見たことはないが、透明なビニール部分にもあらかじめモップや手が描かれているのだろう。
この封筒を受け取った人は左上のロゴもさることながら、自分の住所の窓にすら掃除をしている人たちの姿を見て、この企業の仕事内容「窓ふきをはじめとした各種清掃」をすぐに把握するに違いない。そしてそのセンスの良さに、感服することだろう。
もう一つはインドの自動車保険会社(Aditya Birlaのグループ会社)の封筒。厳密には封筒とセットになったダイレクトメール(【Birla Motor Insurance: Envelope(The ADS of the world)】)。
↑ Birla Motor Insurance: Envelope
社用封筒の中には端の部分に切り取り線が描かれているものもある(実際に薄く切られていたり目打が打ってある場合も)。この線に沿って切れば、中の書類は破らずに済むという印である。その線に従ってピリピリと封筒を破り、いざ中身を見てみると……あら大変。大丈夫だと思ったら、中身のダイレクトメールの自動車の絵がざっくりと切れてしまっている。
そして文面に目を通すと「自動車保険に入っていないと、自動車事故にあった際の支払いは大変。だからといって闇雲に保険に入ると、今度は通常の支払でお財布は空っぽ。適切な量の保険を選んで入る必要があります。でもご安心あれ。私たちに連絡を下されば、保険を単純化と費用対効果の上で最良の保険の組み合わせを提案します」とある。
要は「今、封筒を開けた時に起こしたトラブル(ダイレクトメールの棄損。自動車の絵の部分を破らせることで、事故も想像させる)のように、思いもかけない事故は何時なんどきでも起こります。適切な保険に入っておきましょうネ」と、不意の「事故」を実体験させることで、保険の大切さを再確認させている次第。破っている最中は「事故」に気が付かず、中を開けて文面が読めるようになってから分かる仕組みなのもポイント。
今件2例はいずれも特定の業種だからこそできる「仕掛け」で、他の会社すべてが似たような切り口を使えるわけではない。しかしシンプルで分かりやすい、そして奇抜な切り口の上手さは賛美されるレベルで、思わず「なるほどナ」とうなづいてしまう。このようなセンスある封筒に出会った時の喜びは、何物にも代えがたいものがあるに違いない。
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