人種で異なる米「中流階級」の仲間入り条件
2012/09/29 12:00


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今調査のうち最新のものは2012年7月16日から26日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の男女に対して電話の音声(英語とスペイン語)によるインタビュー形式で行われたもので、有効回答数は2508人。固定電話による回答者は1505人で携帯電話は1003人。国勢調査の結果に基づいたウェイトバックがかけられている。
先日【アメリカの中流意識】などで解説したが、アメリカでは約半数の人が「自分は中流階級に居る」と自認している。

↑ 自分は上流・中流・下流のどの階層にいると思うか(米、2012年)(再録)
また、【米国いわく「安定した職」が中流階級へのチケット】にもある通り、自らが「中流階級」となるのに必要な条件として、9割近い人が「安定した仕事」を挙げている。

↑ 「中流階級」と見なされるには何が必要か(米、2012年7月)(再録)
報告書によれば「安定した仕事」と「健康保険」の項目では人種差にはほとんど差は見られないものの、「住宅保有」「大卒学歴」「金融資産」では大きな見解の違いがみられるという。それをグラフにしたのが次の図。

↑ 「中流階級」と見なされるには何が必要か(人種別)(米、2012年7月)
一様に「白人」よりも「黒人」、「黒人」よりも「ヒスパニック系」の方が、これら3項目に強いこだわりを持っているのが分かる。特に「住宅所有」「大卒学歴」の点では「黒人」は半数近く、「ヒスパニック」は6割超えを数え、後者は全体の「健康保険」の値にすら近づいている。また「黒人」は特に「大卒学歴」へのこだわりが強く、「住宅所有」より高い値を示している。
これらの傾向について報告書では「見解の違い」とのみ説明している。一方で先の「アメリカの中流意識」のデータにもあるが、「白人」よりも「黒人」、「黒人」よりも「ヒスパニック系」の方が「自分は下層階級に居る」と認識する人が多い。

↑ 自分はどの階級にいると思うか(人種別)
自分の境遇にあてはめ、自分に足りないもの・ほしいものを掲げ、「それを得られればステップアップできるはず」との認識が多分にあるものと考えられよう。
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