低学歴・低年収ほど短い「一日の本気出しタイム」

2012/09/26 06:50

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本気アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年9月13日、アメリカにおける「日常生活での本気の出し具合」に関する調査結果を発表した。それによると全体では24%の人が「1日10時間以上本気を出して行動している」と答えていた。属性別では低年収、低学歴ほど、「本気モード」の時間が短いとの回答傾向が確認できる(【発表リリース】)。



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今調査の最新版は2012年8月23日から27日にかけてアメリカ合衆国内に住む18歳以上の無作為抽出(RDD方式)で選ばれた男女に対して電話による音声通話(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は5049人。質問には英語以外にスペイン語も用いられ、かけた先の電話の種類は固定電話・携帯電話で6対4の割合。2011年3月の国勢調査に基づいたウェイトバックがかけられている。

先に別記事で記したが、今調査母体では1日の平均「本気モード」は6.9時間。

↑ 平均本気出し時間(時間/日)
↑ 平均本気出し時間(時間/日)(再録)

男女別では女性、人種別では白人の方が「本気」時間が長い傾向を示している。

今回は新たな属性区分として、回答者の「学歴」と「所属世帯年収」の2つを取り上げる。なおこの2つは他の多数の調査から、相関関係を多分に、因果関係も少なからず持つ傾向があることで知られている。高学歴ほど高収入の職に就ける可能性が高くなる、というわけだ。

まずは「学歴別」。

↑ 昨日何時間ぐらい本気出した?(学歴別)
↑ 昨日何時間ぐらい本気出した?(学歴別)

↑ 平均本気出し時間(時間/日)(学歴別)
↑ 平均本気出し時間(時間/日)(学歴別)

平均時間はややばらつきがあるが、時間区分で見ると確実に、「高学歴ほど本気時間が長い」ことが分かる。特に「高卒未満」では他属性と比べ短時間であることが確認できる。この「高卒未満」の時間の短さについてギャロップ側では、「学歴が低いと技術や才能を活かせるような職に就きにくく(あるいはそのような技術そのものを会得している場合が少なく)、結果として自分の認識で「本気を出している」という時間を獲得できる場面が少ないのではないか」と分析している。

年収においても似たような結果が出ている。

↑ 昨日何時間ぐらい本気出した?(世帯年収別)
↑ 昨日何時間ぐらい本気出した?(世帯年収別)

↑ 平均本気出し時間(時間/日)(世帯年収別)
↑ 平均本気出し時間(時間/日)(世帯年収別)

低年収ほど「本気モード」の時間が短い。特に2.4万ドル未満の「3時間未満」と、その他の年収階層のそれとを比較すれば、その違いは容易に分かる。2.4-4.8万ドル未満が最長で、それより年収が上になるとわずかながら平均では減る傾向があるのが気になるところだが、ギャロップ側ではこれを誤差の範囲としている(むしろ2.4万ドル未満層との間の1時間ほどの差異に注目している)。

上記でも触れているが、学歴と世帯年収は多分に相対関係、そしてデータからだけでは立証しにくいものの、因果関係も少なからずあるものと思われる。双方の属性区分によるデータで似たような結果が出るのも言い得て妙といえよう。



本気無論、本気を出して物事に取り掛かることで、すべての成功が約束されるわけではない。勉強時間が長ければ長いほどテストの点数が上がるわけではないのと同じく、効率や要領の良さなど、他にも結果の良し悪しを決める要素は多い。さらに今件は本人の主観による回答のため、「低階層ほど自分を過少評価する人が多い」可能性もある。一方で今件のように、「少なくとも、階層的には下の属性ほど、本気モードの時間が少ない」という結果が出ているのもまた事実。

あまり無理をするのも心身に毒となるが、「自分はなかなかこの状態から抜けられないな」と感じたら、もう少し本気を出す時間を増やしてみるのも良いかもしれない。



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