3割強は経験あり…結構多い、米でのモバイル紛失・盗難経験
2012/09/22 12:00
アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年9月5日、アメリカにおけるモバイル端末(一般携帯・スマートフォン双方を含む)とプライバシーとの関わり合いに関する調査報告書【Privacy and Data Management on Mobile Devices】を発表した。今回はその中から、モバイル端末の盗難・紛失経験や不正アクセスの経験について見ていくことにする。
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今調査は2012年3月15日から4月3日にアメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女に対し、電話による対話(英語とスペイン語)でのインタビューにて行われたもので、有効回答数は2254人。固定電話は1351人、携帯電話は903人(うち410人は固定電話なし)。インターネット利用者はそのうち1803人。回答値には国勢調査を基にしたウェイトバックがかけられている。
モバイル端末、特にスマートフォンは多種多様な個人情報が用いられているため、万一盗難に合えば大きな被害をこうむる可能性がある。一方でロック機能はあるものの、日常時の使い勝手の上でオフにしている人もいるだろう。今件ではその端末が「盗まれたり無くしてしまった」経験があるか否か、「不正な方法で第三者にアクセスされた」(※報告書では説明されていないが、いわゆる「ハッキング」以外に、親や恋人による物理的なのぞき見に代表される「ソーシャルハッキング」も含まれると考えられる)経験を持つか否かを尋ねている。
↑ セキュリティ周りで次の経験をしたことがあるか(モバイル端末保有者限定)(米、2012年3-4月)
意外にもモバイル端末の紛失・盗難経験は高く、全体では3割、若年層では5割近くに達している。高齢層ほど値が低くなるのは、端末の利用に慎重なせいもあるのだろう。他方、不正アクセス経験者は1割強。こちらも若年層ほど値は高く、利用性向の高い層ほどそのような事態に遭遇するリスクも高まると考えられる。
これを世代別以外の各属性別で再集計したのが次のグラフ。
↑ セキュリティ周りで次の経験をしたことがあるか(モバイル端末保有者限定)(米、2012年3-4月) (属性別)
「不正な方法で第三者にアクセスされた」経験は属性でばらつきがあり、一定の法則は見られない。他方、盗難・紛失経験は性別・年収別ではほとんど変化がないものの、学歴別では高学歴ほど・居住地域では地方ほど紛失経験者が少なくなる。モバイル端末所有に対する慎重さの違いが出ているものと考えられる。
今報告書では表上には出ていないものの、次のような事柄も言及されている。
・不正アクセス経験もスマートフォン保有者の方が多い(15%、一般携帯は8%)
・紛失や盗難経験は機種別でも大きな違いが。ブラックベリーは45%、iPhoneは30%、アンドロイドは36%。
・不正アクセス経験はブラックベリー保有者は4%に過ぎない。iPhoneは16%、アンドロイドは17%。
やはり大きくて見やすく、パソコンに近い機能を持つスマートフォンだからこそ、難儀な点も増えるようだ。
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