米モバイル利用者における位置情報や閲覧履歴、知られたくない個人情報への対応は?
2012/09/24 12:00
アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年9月5日、アメリカにおけるモバイル端末(一般携帯・スマートフォン双方を含む)とプライバシーとの関わり合いに関する調査報告書【Privacy and Data Management on Mobile Devices】を発表した。今回はその中から、ブラウザなどの閲覧・検索履歴や現在位置の送信機能への対応について見ていくことにする。
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今調査は2012年3月15日から4月3日にアメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女に対し、電話による対話(英語とスペイン語)でのインタビューにて行われたもので、有効回答数は2254人。固定電話は1351人、携帯電話は903人(うち410人は固定電話なし)。インターネット利用者はそのうち1803人。回答値には国勢調査を基にしたウェイトバックがかけられている。
多種多様な情報機能を持つモバイル端末は、同時に個人情報・プライバシーが多分に盛り込まれた「他人には見られたくない」ツールでもある。その中で、個人の趣味趣向が分かりやすい「ブラウザなどの閲覧・検索履歴」、プライバシーに直結する「現在位置(の送信機能)」について、削除をして第三者が確認できないようにした経験があるか否かを今件では尋ねている。
↑ プライバシー周りで自分のモバイル端末で次の行動をしたことがあるか(モバイル端末保有者限定)(米、2012年3-4月)
まず「閲覧・検索履歴」だが、シンプルに「若年層ほど経験者が多い」傾向を示している。若年層では5割近く、高齢層になると1割程度にとどまっている。他方、位置情報絡みでは25-34歳の方が消去経験率が高いが、これは多分に「若年層ほど気にしがち」に加えて「学生よりも社会人の方がリスクを覚える人が多い」結果によるものと思われる(18-24歳層は学生比率が多い)。そして閲覧・検索履歴の方が、位置情報よりも削除経験者が多いのは、前者の方がより「個人の趣味趣向を探られやすい」からだと考えれば道理が通る。
報告書では詳しいデータは開示されていないものの、次のような注釈も加えられている。
・男性の方が女性よりも、親がいる人の方がいない人よりも、履歴を消す傾向が強い。
・学歴などの差異も見受けられるが、その多くはスマートフォン保有か否かと連動しており、それらの属性による差異としては考えにくい。
一般携帯電話よりもスマートフォンの方が個人情報の搭載量が多く、位置情報を使ったサービス・アプリも多数が展開されている。各種情報を消す人が多いのも納得できるというものだ。
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