主婦が感じる給食の問題点、トップは給食費の滞納
2012/09/21 06:50
パルシステム生活協同組合連合会は2012年9月13日、学校給食に関する調査結果を発表した。それによると小学校に通う子供が居る30-49歳女性から成る調査母体においては、改善すべきだと感じている学校給食における最大の問題点として挙げられたのは「給食費の滞納が起きている」ことだった。6割近い人が同意している。次いで「アレルギー対策が不十分」「ボリュームが少ない」が続く。一方その給食費について、適切だと考える月額は約3500円に落ち着いている(【発表リリース】)。
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今調査は2012年8月16日から22日にかけて、学校給食を実施している小学校に通う子供がいる、30-49歳の女性に対して、携帯電話を利用したインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。回答者の世代構成比は30代・40代で均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
色々な点でメリットの多い学校給食だが、それでもやはり不備の発生、不満に思うこと、改善してほしい点は存在する。今件では複数回答で改善すべき点を選択肢から選んでもらったが、その最上位には「給食費の滞納が起きている」がついた。57.5%の人が給食費の滞納問題を改善すべきと考えている。
↑ 改善すべきだと感じている学校給食の問題点(複数回答)
給食費に関しては第6位に「給食費が高い」が入っているが、これは多分に回答者自身が実態として感じている問題。他方「滞納がおきている」は自分以外の第三者が直接見聞きしている、あるいは報道などで見知った結果。後者は当然印象的な面が強く、時として現実以上の状況をイメージし、それを現実と思い込んでしまうことがある。またこの「未納問題」に対しては【学校給食費、「滞納許せない」は主婦で9割超】で解説したが、9割以上が「滞納は許されない」と考えている。これだけ拒絶反応が強ければ、問題点として多くの人に提起されるのも当然。
↑ 給食費の滞納を許すべきではないと思う(再録)
給食費以外では「アレルギー対策」「ボリューム」「完食することを強いる先生がいる」「食中毒対策」などが続く。給食予算の都合上仕方ない点もあるが、一方で学校側の姿勢そのものが問われている事例が指摘されているのも、気になるところ。
さてその給食費だが、幾らぐらいが適切だと考えられているのか。今調査母体では月額で約3500円という結果となった。
↑ 適切だと思う一か月の学校給食代金(自由回答形式)
ボリュームゾーンは2000-5000円台。3000-4000円台に絞れば6割強が範ちゅうとなる。所属する地方公共団体からの支援もあるが、平日一か月分の昼食用の予算としては「作り手側も大変だな」と考えさせられる金額ではある。実際の給食費は学校によって千差万別だが、一例をあげると【福岡市の場合】は月額3900円。他に全費用の半分強が地方公共団体側の負担となっている。また【子供の学習費調査(文部科学省)】によれば、公立小学校は平均3519円・私立は3838円である(月額)。
給食費不払い問題の実情については、文部科学省で一定期間おきに調査がおこなわれている。これについては別途機会を設けて、現状を確認することにしよう。
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