子供の大学進学、増える負担、親はどうする?
2012/09/17 06:40
ベネッセは2012年9月11日、大学生の保護者に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち子供が同居して自宅通学をしている人においては、子供の大学進学決定から現時点までに、進学のための学費や生活費を工面するため、節約をするようになった人は1/3を超えていることが分かった。奨学金の申請を後押ししたり、貯蓄を切り崩す人も3割を超えている。一方子供が一人暮らし、あるいは寮暮らしをしている人の場合はそれぞれが4割を超えており、生活が一層厳しい状態なのがうかがえる(【発表リリース】)。
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今調査は2012年3月24日から27日にかけて、日本の大学1-4年生の子供を持つ保護者に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は6000人。男性保護者(父親)と女性保護者(母親)は1対1、子供が在籍している大学の入試難易度(偏差値)「55以上」「50-54」「45-49」「45未満」に区分し、それぞれの実数人数に近い比率になるように、回答を回収している。
義務教育や高校時代と比べ、大学時代は何かと余計にお金がかかる。学費は年ベースで100万円を超え、生活費も合わせると200万円程度になる場合が多い(【2008年度は年間67万6300円…学費上昇と収入減少のダブルパンチでダウンが続く大学生の生活費】)。該当する子供が一人暮らしをするとなれば、さらに必要となる経費は跳ね上がる。
今件では大学進学が決まり出費がかさむ事態に対し、回答者(保護者)は今までどのような方法で工面をしてきたかを尋ねている。子供が自宅から通う「同居・自宅通学」と一人暮らしをしたり寮生活に入る場合「一人暮らし・寮」とでは出費の傾向も大きく異なるので、それぞれに区分した結果が次のグラフ。
↑ 子供の大学進学決定後の学費・生活費の工面
当然ながら子供が一人暮らしや寮生活をしている親の方が、多用な方面で工面をしているのが分かる。特に上位3項目「節約」「奨学金の検討や申請をさせる」「貯蓄の取り崩し」は、同居事例と比べて10ポイント以上体験者が多い。それだけ負担が大きいということだ。
大学に通う子供の金銭的負担の大小は、居住場所別以外に学校の形態によるところが大きい。一般的には国立が一番割安、次いで公立、そして私立が一番高い。今件調査でもほぼその定説を裏付ける結果が出ている。
↑ 子供の大学進学決定後の学費・生活費の工面(上位陣、子供の学校区分別)
同居よりも一人暮らしの方が、親にかかる負担が大きい(=生活費の工面を多方面でしている)のはどの学校形態でも同じだが、さらに国立から公立、公立から私立になるにつれ、工面をする人の割合が増えてくる(私立の奨学金申請はやや低めでイレギュラーな値が出ているが、これは「奨学金を頼むほどならば、元々負担が大きい私立では無くて公立などを選んでいる」ということだろうか)。
いずれにせよ、上位4項目に限っても、子供が私立大学に通う親の1/3、一人暮らしをしている場合は半数近くが、貯蓄を切り崩して学費や仕送りなどに充てていることになる。支援を受ける子供側も、この事実を知った上で勉学に励んでほしいものである。
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