「お酒は大人になってから」現状制度支持8割近く
2012/09/10 06:35
内閣府は2012年9月6日、喫煙・飲酒の年齢制限に関する特別世論調査の結果を発表した。それによると現在20歳未満は禁じられている飲酒行為について、「年齢制限をそのまま維持すべき」とする考えを持つ人は8割近くに達していることが分かった。引き下げを望む人は約1割いるが、「むしろ引き上げるべきだ」と考えている人も数%存在する(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は20歳以上の日本国籍を有する人3000人に対し、2012年7月26日から8月5日にかけて調査員による個別面接聴取方式で行われたもので、有効回答数は1913人。男女比・世代構成は非公開。
現行法(未成年者飲酒禁止法)では20歳未満の人はお酒を飲むことは禁じられている。最近では見た目での年齢判断が難しいこともあるためか、お酒販売の際に成人であることの確認をタッチパネルで行う、あるいは【お酒売り場で「30歳未満の方は......」!?】などにもある通り30歳未満の場合には20歳以上であることの証明を求められる事例も増えている。
今件では「仮に」飲酒の年齢制限を引き下げた場合、想定しうるメリット・デメリットを尋ねている。メリットでは「自分の行動への責任感を早く持たせることのきっかけとなる」が最多回答率を示しているが2割足らず、一方でデメリットでは「飲酒を起因とする治安上の問題」が8割近い結果となった。選択肢の問題もあるが(さらにそれ以前に「メリット」となる点の想定が難しい)、概してメリットの回答率は低め、デメリットは高めの結果が出ている。
↑ 飲酒・年齢制限を引き下げた場合のメリット(複数回答)
↑ 飲酒・年齢制限を引き下げた場合のデメリット(複数回答)
回答者が20歳以上なのも一因だが、飲酒年齢を引き下げることへのメリットは見出しにくいようだ。
当然のことながら、適正な飲酒に関する制限年齢においても、現行の20歳以上を支持する人は多い。
↑ 適正な飲酒に関する制限年齢
↑ 適正な喫煙に関する制限年齢(参考・再録)
引き下げを支持する人は14.8%、逆に引き上げを望む人は6.7%。喫煙の事例と比べて「18歳・高校生は不可」項目の回答率がやや高めで「高校を卒業すればお酒は良いのでは」とする意見がやや多いのが目に留まるが、現状維持を支持する人が圧倒的である状況に変わりはない。
たばこと共に大人の象徴とイメージされるお酒だが、制限年齢に関しては現状維持が世論の大勢と見てよさそうである。
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