米中流4人組家族、年収いくら必要?
2012/09/02 06:30


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今調査のうちPew Research Centerが調べた部分については、同社が2012年7月16日から26日にかけて、RDD方式で選ばれたアメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女2508人に対して、電話の音声にて英語・スペイン語を用いて行われたもの。調査結果には国勢調査を基にしたウェイトバックがかけられている。
以前【アメリカの中流意識】でも伝えたように、全体では約半数の49%の人が「自分は中流階級にある」という意識を持っていた。「上流」は17%、「下流」は32%となる。

↑ 自分は上流・中流・下流のどの階層にいると思うか(米、2012年)(再録)
そしてそれぞれの意識を持つ人に、「自分が住んでいる居住地域で」「中流階級の4人家族が1年間生活するのに必要な金額はどれぐらいか」を聞いたのが、今件の記事対象部分。まずは大まかな区分分けだが、自分自身の立ち位置が上の人ほど、「中流世帯」が必要となる金額についても高めに見積もる傾向がある。

↑ あなたの居住地域で4人家族が中流階層としての生活を過ごすには年収いくら必要か(米、2012年)
「5万-10万ドル未満」の層はほとんど変わらず、回答者が上流になるほど「5万ドル未満」が減り「10万ドル以上」が増えていく。やはり自分自身の生活水準に照らし合わせて、それにある程度近づいた状態をイメージしてしまうようだ。
ちなみに自らも中流階級と答えた人に限定した場合、中央値は7万ドル。米国勢調査局のデータによれば4人世帯の平均年収は6万8274ドルで、かなり近い値が出ているのが分かる。
今件について自らを「中流」と回答した人に限定し、その属性別に答えてもらったのが次のグラフ。上流・下流と自ら答えた人よりは、ぶれが小さい、はず。

↑ あなたの居住地域で4人家族が中流階層としての生活を過ごすには年収いくら必要か(万ドル)(米、2012年)(自分を「中流」と回答した人限定)
同じ「中流世帯」を自称する人でも、自分自身の環境に近い値をイメージする傾向があるのは変わらない。「高学歴」と「高年収」は連動する傾向があり、同じような動きをするのも理解できるし、歳を経るほどそれなりに額が増え、シニアになると額が減るのも(自分の消費生活からイメージしているのならば)理解はできる。
実際報告書でも「回答者の年収は『中流階級の生活に必要な年収』と連動する傾向がある」と説明している。知らず知らずのうちに、自分に水準を合わせてしまうことは、よくある話ではある。
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