高学歴ほど喫煙率は低い…米喫煙率の現状を多方面から

2012/08/27 06:35

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禁煙アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年8月22日、アメリカの大人における喫煙率動向に関する調査結果を発表した。それによると同国の喫煙率は漸減傾向にあり、最新の2012年の調査結果では20%に留まっていることが分かった。また、世代別では若年層の方が喫煙率そのものは高いものの減少幅も大きく、高齢層ほど落ち方が緩やかな傾向にあることも確認されている。さらに高学歴ほど喫煙率は低く、大学院(卒)は1割を切る値を示している(【発表リリース】)。



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今調査の最新版は2012年7月9日から12日にかけてアメリカ合衆国内に住む18歳以上の無作為抽出(RDD方式)で選ばれた男女に対して電話による音声通話で行われたもので、有効回答数は1014人。質問には英語以外にスペイン語も用いられ、かけた先の電話の種類は固定電話・携帯電話で6対4の割合。2011年3月の国勢調査に基づいたウェイトバックがかけられている。

今件調査はやや不定期感はあるものの、1944年以降ほぼ1年に1回行われており、もっとも古いものは1944年11月、もっとも新しいものは2012年7月に実施されている。その動向について、全データを絡めたものと、今世紀に入ってからに限定してグラフ化したのが次の図。

↑ 米喫煙率(「この一週間、たばこを吸ったか)
↑ 米喫煙率(「この一週間、たばこを吸ったか)(再録)

直近の2012年7月では、全体の喫煙率は20%に留まっている。

これを世代別・性別に見たのが次のグラフ。経年推移は今世紀以降・数年単位の平均値であらわされているが、概して減少傾向にあるのが確認できる。

↑ 今世紀の米成人の喫煙トレンド(世代別)
↑ 今世紀の米成人の喫煙トレンド(世代別)

↑ 今世紀の米成人の喫煙トレンド(男女別)
↑ 今世紀の米成人の喫煙トレンド(男女別)

喫煙率そのものは若年層の方が高齢層より高い。その分落ちる余力があることも一因だが、経年による喫煙率減少具合も若年層の方が大きい。この10年ほどで18-29歳は9ポイント下落しているが、50-64歳では1ポイントに留まっている。65歳以上では逆に増えているほど。男女別では男性の方が喫煙率が高いものの、減少度合いはさほど変わらないことから、この「若年層のたばこ離れ」は性別に関係なく進行していることが分かる。【世代別成人喫煙率(2012年分反映版)】で表している日本の喫煙率事情と少々異なり、興味深い話ではある。

興味深いといえば、ギャラップ社のデータには「学歴別喫煙率」というものもある。

↑ 今世紀の米成人の喫煙トレンド(学歴別)
↑ 今世紀の米成人の喫煙トレンド(学歴別)

学歴区分で分けると、大卒でややイレギュラーなところがあるが、概して減少率に大きな差異は出てこない(やや大学修学者の下げ幅が大きいが)。やはり世代別のみで大きな減少率の違いが生じているようだ。むしろ学歴が高いほど喫煙率が低い傾向にあるという結果の方が、純粋な驚きが得られる。卒業後の就職場所の禁煙率の問題か、それとも高学歴者の方が喫煙によるリスクを理解しているのか、あるいは「喫煙者は”煙草を我慢できない”とみられるかもしれない」というリスクを懸念しているのかもしれない。



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