使えなくなると困る電化製品、トップは冷蔵庫

2012/08/26 07:10

このエントリーをはてなブックマークに追加
電気大和ハウス工業は2012年8月23日、節電に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、「照明などのスイッチをこまめに切る」節電を心掛けている人は8割を超えていることが分かった。次に「エアコンの温度設定変更」が6割強、「自然の風や光の活用」が5割強と続いている。一方、停電などで電気が使えずに利用できなくなると一番困る電化製品としては、冷蔵庫を挙げる人がもっとも多く、過半数を超えていた。代替できるものが無く、食品などの保存が利かなくなるため、日常生活に大きな影響を与えるのが大きく影響しているようだ。



スポンサードリンク


今調査は2012年7月12日から22日にかけて、同社のメールマガジン【大和ハウスのメールマガジン】の会員に対して行われたもので、有効回答数は2740件。男女比・世代構成比は非公開だが、20代未満から70歳以上までの回答者が確認できる。また、同メールマガジンが「暮らし」をテーマとしているため、今調査結果は調査母体が少なからずとも「居住環境・住生活について関心を寄せている人」から成ることを留意しておく必要がある。

先に【節電ストレス3割強】で示したように、調査母体内では9割の人が節電の取り組みをしている。

↑ あなたの節電への取り組み状況は?
↑ あなたの節電への取り組み状況は?(再録)

それでは具体的にどのような取り組みをしているのか。該当するものすべてに答えてもらったところ、もっとも多い回答率を示したのは「照明などのスイッチをこまめに切る」で84.8%に達していた。

↑ 節電に関してどのようなことに取り組んでいるか
↑ 節電に関してどのようなことに取り組んでいるか

次いで多いのは「エアコンの温度設定変更」「自然の風や光の活用」「テレビなどの待機電力の節電」と続く。いずれも新たなツールを必要としない、あるいは最小限の追加で済む、「手間はかかるが最小コストで実施できる節電」が上位についている。

具体的なコストがかかる項目としては「クールビズ」がもっとも高い値で34.0%。続いて「省エネタイプの照明や家電の利用」が33.4%、「すだれやよしずの利用」が27.4%と続いている。ただしこれらの「要コストな節電対策ツール」は、一度購入すれば数年間は継続できるため、去年2011年の時点で調達した人は、去年のものを継続使用していることになる。従って「今年に入ってから一つでも節電商品を購入したか」の問いに、4割しか肯定者がいないのも納得は行く。

↑ 今年に入って一つでも節電商品を購入したか
↑ 今年に入って一つでも節電商品を購入したか

「節電をするつもりが無い」ではなく、「すでに節電体制は昨年時点で整えていたので、新たな購入の必要性は無い」人が多分にいると考えた方が自然、というわけだ。

電力需給の切迫状況や自発的な節電対応で、電気の大切さを改めて知った人も少なくあるまい。それでは仮に、停電などで使えなくなった場合、一番困る電化製品は何だろうか。自宅内を見回しても電気で動くものは山ほどあり、そのどれもが「止まったら困る」ものばかりなのは事実だが、あえてひとつ「これは一番困る」というものを挙げてもらった結果が次のグラフ。

↑ 日常で使えなくなると困る電化製品(択一)
↑ 日常で使えなくなると困る電化製品(択一)

冒頭でも触れたが、代替ができず、我慢のしようがなく、すぐにでも大きな影響を受け得る「冷蔵庫」が過半数に達している。男女比・世代構成比は非公開だが、仮に男女比が半々だとすれば、少なくとも半数の女性の大半は(家事などに従事するため)冷蔵庫を挙げるはず。このような結果が出るのも当然といえる。

興味深いのは第二位以降の順位で、「パソコン」「携帯・スマートフォン」「テレビ」の順であること。今件がメルマガ会員を対象とした調査なため、多少パソコン周りに「身びいきさ」が出るのも仕方がないが、昨今のパソコンや携帯電話の普及率を考えると、さほど大きなぶれは考えなくても良い。テレビやエアコン、洗濯機などは、それだけが使えなくなっても他の電化製品で代替できる、あるいは我慢できるという判断によるところだろう。



ともあれ、普段何気なく、思うがままに使い倒しているインフラは、その利用が不自由になって初めて大切さを知ることが多い。これまでも夏の水不足時期に断水を何度となく経験し、水の大切さを知った経験を持つ人は多いはず。電気もまたインフラの一つであり、「我慢して何とかなる」ものではない(江戸自体レベルにまで生活水準を戻す気概があれば、話は別だが)。

以前の記事でも挙げたが、昨今の情勢において節電行為は仕方のない話ではある。しかし当然ストレスを覚えないわけにはいかない。無理をして心身に痛手を追ったり、負荷が元で逆に費用がかかってしまっては身もふたもない。無理なく上手に、そして楽しさを覚えるような「賢い節電」を心掛けてほしいものである。


■関連記事:
【「家庭での節電計画を分かりやすく・スマートに」を考えてみる】
【節電ストレス3割強】



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS