ゴミの分別、ケータイの店頭回収…リサイクルやリユースのために、普段から何してる?

2012/08/16 06:40

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リサイクル内閣府は2012年8月6日、環境問題に関する世論調査結果を発表した。それによると、日常生活において一度使ったもの、ごみがリユースやリサイクルされやすいように、普段から行っている事柄として、もっとも多くの人が「実行している」と答えたのは「家庭ごみの種類別分別と定められた場所への廃棄」だった。8割強の人が行っている。次いで「リサイクルされやすいように瓶は洗う」「トレイや牛乳パックなどの店頭回収に協力」などが続く。男女別では女性の実行率が男性よりも高く、世代別では携帯電話などの店頭回収や、フリーマーケットなどの活用の点で、若年層が高齢層よりも高い実行率を示している(【発表リリース】)。



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今調査は2012年6月7日から17日にかけて、日本国籍を有し日本国内に住む20歳以上の男女に対し、層化2段無作為抽出法によって選ばれた3000人を対象に調査員による個別面接聴取で行われたもので、有効回答数は1912人。男女比は914対998、世代構成比は20代から60代までの10歳区切りと70歳以上で133人・282人・315人・323人・490人・369人。

資源の再利用、有効活用の観点において、いわゆる「3R」という言葉が用いられている。これは

Reduce……リデュース。ごみの発生を減らす。
Reuse……リユース。繰り返して使う。
Recycle……リサイクル。資源として再利用する。

の頭文字からの造語。今件項目ではこのうち後者2つ、つまりリユース・リサイクルを促進すべく、普段からどのような行動をしているかについて尋ねている。

↑ 日頃、ごみや一度使ったものがリユース・リサイクルされやすいようにするために行っている事柄はあるか(複数回答)
↑ 日頃、ごみや一度使ったものがリユース・リサイクルされやすいようにするために行っている事柄はあるか(複数回答)

もっとも多くの人が「実践している」と答えたのは、家庭ごみの分別と決められた場所への廃棄。ごみの不法投棄は周囲に迷惑をかけるだけでなく、法的にも問題となる事例もある。あらかじめ決められた場所に、決められた方法で廃棄するだけの話なのだが、「分別が面倒くさい」「ごみ捨て場が遠い」「回収日・廃棄日以外に捨てられないのが不便」などの「ちょっとした不便さ」を理由に反対する意見も考えられる。

しかし見方を変えれば、その「ちょっと」の不便をこなすだけで、ルールを守り、自分自身も周囲も気持ち良く日々を過ごせ、資源のリサイクル・リユースの点でもプラスとなる(あまりに分別などごみ捨ての状態が悪いと、回収そのものがされなくなり、周辺の利用者全体が「不便さを覚える」「不幸になる」かもしれない)。

第二位は「瓶のリサイクルを容易にするための洗浄」、そして「トレイなどの店頭回収への協力」「不用品の再利用」などが続く。

3年前の調査結果と比べると、瓶などの回収でやや減退が見られるが、携帯電話などの店頭回収を始めとした、前回調査では低めだった項目の上昇が目に留まる。ただし上昇率は数ポイントにとどまっているため、今後の同様調査の動向を見極め、これが行動の拡散化として見なせるかどうかを見極める必要はある。

これを性別に見ると、圧倒的に女性の方が実行率が高い。

↑ 日頃、ごみや一度使ったものがリユース・リサイクルされやすいようにするために行っている事柄はあるか(複数回答)(男女別)
↑ 日頃、ごみや一度使ったものがリユース・リサイクルされやすいようにするために行っている事柄はあるか(複数回答)(男女別)

「女性の方が環境意識が高い」からなのか、それとも「家庭の家事を任されることが多い女性の方が、リユースやリサイクルに絡む状況に接しやすく、対応する場面も多い」からなのか、その双方か。今件回答だけでは判断は難しい(元々行っていない行動には回答はできない。男女ともに接する機会はさほど変わらない「携帯電話などの店頭回収への協力」が男女でほぼ同率なのを見れば、それは明らか)。むしろその双方が相互作用的に働き、結果として女性の回答率が高い結果が出たと見たほうが道理は通る。

最後に世代別。

↑ 日頃、ごみや一度使ったものがリユース・リサイクルされやすいようにするために行っている事柄はあるか(複数回答)(世代別)
↑ 日頃、ごみや一度使ったものがリユース・リサイクルされやすいようにするために行っている事柄はあるか(複数回答)(世代別)

瓶の洗浄やトレイの回収協力、不用品の再利用などはおしなべて世代が上になるほど実行率が高い。一方で電子機器の回収や、中古品のフリーマーケット・リサイクルショップなどでの活用は若年層が高い値を示している。これは前者は主に携帯電話、後者はインターネットオークションに代表されるように、若年層向けのツール・サービスが対象となり、あるいは使われ、若年層がよく使うとの結果が出ていると考えられる。



本文中でも触れているが、リサイクル・リユース促進のための行動は、ちょっとした面倒くささを伴うものが多い。見方を変えればその「ちょっと」をこなすことで気分も良くなるし(少なくとも3Rに役立つと認識をした上で実行すれば、自己満足は得られる)、全体から見れば個人の行動はほんのわずかな実績でしかないものの、確実に環境改善へ貢献を果たしたことになる。

「ちょっと」は習慣化することで、面倒くささを払しょくすることが可能となる。一つ一つで良いので、日常生活の中で習慣化を心掛けてみてはいかがだろうか。


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