一般携帯よりもスマートフォンの方がトラブルは多い? 米携帯電話トラブル事情

2012/08/08 06:45

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スマートフォントラブルアメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年8月2日、携帯電話利用上のトラブルに関する報告書【Mobile Phone Problems】を公開した。同社の報告書としては比較的短い文面ではあるが、そこからは携帯電話の保有者が抱える苦悩は日本もアメリカもさほど変わりがないことがうかがえる。今回はその中から「代表的な携帯電話上のトラブルの、スマートフォンとその他携帯電話における遭遇頻度の違い」について見ていくことにする。



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今調査は2012年3月15日から4月3日にかけて、アメリカ合衆国在住の18歳以上の男女に対して、RDD方式によって選択された電話番号を使った電話による通話インタビューで行われたもので、使用言語は英語とスペイン語。回答者数は2254人で、そのうち固定電話利用者は1351人、携帯電話は903人(うち410人は固定電話非保有)。インターネット利用者は1803人。各値は国勢調査の結果に基づきウェイトバックが行われている。

先に別記事で記した通り、毎日一回以上のペースで区切ると、通話断線を実感している人は1割強に及ぶ。不必要な営業電話を受けている人も9%、スパム受信も8%、週数回程度まで広げると2-3割もの人が「トラブル経験者」という計算になる。

↑ 携帯電話利用上のトラブル(個々の条件で発生しうる状況にある人限定、米、2012年3-4月)
↑ 携帯電話利用上のトラブル(個々の条件で発生しうる状況にある人限定、米、2012年3-4月)(再録)

見方を変えれば2-3割の人が各項目で「そのようなトラブル経験は一度もない」と答えており、それはそれで喜ばしい話でもある。

さてこの「トラブル遭遇率」だが、昨今急成長中のスマートフォンと、それ以外の携帯電話(一般携帯電話、いわゆるフィーチャーフォンなど)とで区分した場合、スマートフォン所有者の方が多数のトラブル経験を持っていることが分かった。

↑ 携帯電話利用上のトラブル(個々の条件で発生しうる状況にある人限定、米、2012年3-4月)(週一以上で起きている人の割合)
↑ 携帯電話利用上のトラブル(個々の条件で発生しうる状況にある人限定、米、2012年3-4月)(週一以上で起きている人の割合)

今件についてリリースでは単に「Smartphone owners reported higher incidence levels of these problems, compared with other cell owners」、つまり「スマートフォン保有者はその他の携帯電話保有者と比べてトラブル発生率が高い」とだけ言及しており、その理由には一切触れていない。

最後の項目「データダウンロードの遅さを実感」は、利用するアプリやブラウザアクセスにおけるデータ通信量の多さを考慮すると、仕方ない面がある(実際、他の項目と比べて「その他携帯」との差異が大きい)。その他3項目は「スマートフォンの方がトラブル率が高くなる理由」の想定が難しく、首をかしげることになる(感情的、雰囲気的な問題では無く、具体的な「あるなし」の回答なので、「スマートフォン利用者の方が迷惑営業電話に敏感」という仮説も成り立たない)。

あるいはスマートフォン所有者のメールアドレスをはじめとした各種情報は、一般携帯電話のそれと比べ、「端末の稼働率が高い」「消費性向が高い」「新しいものに目ざとい」との条件に合致しやすいことから、「価値が高い」「コストパフォーマンスが良い」として業者に認識され、優先順位が上げられているのかもしれない。


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