アメリカ世帯の食費推移
2012/08/10 06:50
アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年8月2日、アメリカの世帯単位での食費に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、1世帯当たりの週当たりの食費は平均で151ドル、中央値で125ドルであることが分かった。また今発表では最新の結果に合わせて、戦中からの同様の調査の結果も列挙されている。今回はその値にスポットライトを当てることにする(【発表リリース】)。
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今調査のうち直近のものについては2012年7月9日から12日にかけて、アメリカ合衆国内に居住する無作為で選ばれた18歳以上の男女に対し、電話によるインタビュー形式(使用言語は英語に加えてスペイン語)で行われたもので、有効回答数は1014人。回答結果には国勢調査に基づくウェイトバックが行われている。
先に別記事で記した通り、直近の調査結果では週単位での世帯平均食費は151ドル。年収や世帯主年齢などで大きな変化が見受けられる。
↑ 平均して一週間の食費はどれぐらいか(米、2012年7月9-12日)(属性別、平均値、米ドル)(再録)
この直近の調査と同じスタイルで、ギャラップ社が戦中から行ってきた調査結果をまとめたのが次のグラフ。当然この半世紀の間にインフレは起きているが、そのインフレを考慮した値に修正されている。
↑ 平均して一週間の食費はどれぐらいか(米、ドル、平均値、2012年の物価に調整済み)
ギャラップ側の説明によれば「1987年まで漸減していた食費は、1987年に急上昇を見せることになった。同社ではそれ以降しばらく調査を中断していたが、米労働統計局のデータを見る限り、1987年と2012年の調査結果を直線でつないだ場合と同じような漸減傾向にある」としている。実際、労働統計局の値をインフレ率を加味した上でグラフ化したものが同リリース中にあるが、多少の上下を繰り返しながらも、全体的には少しずつその額を落としているのが分かる。
↑ 1984年から2010年の米世帯平均食費(インフレ率加味、年の食費を週食費に換算したもの。リリースから抜粋)
食費はほぼ日々消費されるもので、それだけに節約の対象にもなりやすく、同時に財布のひもが緩んだ時の増額対象にもなりやすい。また、食のスタイルの変化や食品関連の相場にも大きく左右される。多数の要素が影響しているため、食費の漸減傾向だけで「不景気だから」と断ずるのはリスクがある。
一方資料では先のアメリカでの干ばつと、それに伴う食品価格の上昇について触れており、これが食費にも小さからぬ影響を及ぼすであろうと言及している。食料品の価格上昇がいかなる結果を見せることになるのか。食品価格の動向と共に、注意深く見守りたい。
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