世界で一番悲観的な国はギリシャ

2012/07/28 12:00

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悲観的アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年7月25日、諸国の市民に浸透する楽観論・悲観論に関する調査結果を発表した。それによると各国調査母体において、悲観論の浸透率ではギリシャがもっとも高い値を示していた。42%の人が「5年後は今より生活が厳しくなる」と答えている。次いでシリア、チェコ、ポルトガル、日本と続いている。逆に楽観論の浸透率ではギアナがもっとも高く97%、ついでコモロやペナン、中央アフリカなどが続いている(【発表リリース】)。



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今調査(直近)は148か国を対象に各国約1000人の15歳以上の人に対し、対面あるいは電話経由での口頭インタビューによって行われたもの。国によって調査期間は異なるが、いずれも2011年中に実施されている。回答結果は国勢調査の値に従いウェイトバックがかけられている。

今調査では現状の生活に関する満足度や、将来(比較用として5年後)における見通しについて、良くなるか悪くなるかを尋ねている。そのうち、「5年後の自分達の生活は今よりも悪くなる」という悲観論的回答の上位陣が次の通りとなる。

↑ 自らの将来(5年後)が現在よりも悪くなると考えている人の割合(上位陣)(2011年)(回答率2割超のみ抜粋)
↑ 自らの将来(5年後)が現在よりも悪くなると考えている人の割合(上位陣)(2011年)(回答率2割超のみ抜粋)

もっとも悲観論者が多いのはギリシャ。10人中4人強の人が「5年後の生活は今より悪くなる」と答えている。以後シリア、チェコ、ポルトガルと続き、ここまでが「悲観論者3割超」の国。日本とスロベニアはぎりぎり3割。

ギリシャに関しては楽観論者の値も記されていて、これが25%と出ている。ヨーロッパに限れば36%・全世界なら66%の中央値と比べると、随分と低い値には違いない。これについてギャラップ側では「数年来の政治的・経済的な混乱が反映されている」と説明している。

一方で「自らの将来(5年後)が現在よりも良くなると考えている人」、つまり楽観論者は全般的に発展途上国、あるいは現時点で生活水準が低い国で高くなる傾向にある。

↑ 自らの将来(5年後)が現在よりも良くなると考えている人の割合(上位陣)(2011年)
↑ 自らの将来(5年後)が現在よりも良くなると考えている人の割合(上位陣)(2011年)

例えばトップのギアナでは、現時点で53%の人が「今の生活を10段階評価した場合、ゼロ-4のいずれかである」と回答している。中には8割近くを占める回答国もあり、「5年のうちには今の生活が何らかの形で改善されるに違いない」とする、まさに希望的楽観論が生じていると考えられる。

一方ヨーロッパ諸国では経済状態の悪化に従い、この数年間で多くの国において楽観論者が減少する傾向も確認されている。

↑ 自らの将来が現在よりも良くなると考えている人の割合(ヨーロッパ、一部)
↑ 自らの将来が現在よりも良くなると考えている人の割合(ヨーロッパ、一部)

昨今のヨーロッパ情勢(特に経済周り)を鑑みるに、2012年分の値はもっと悲観論者が増えているものと考えて間違いは無い。これについてはギャラップ社で発表があり次第チェックを入れることにしよう。

なお日本の悲観論値が30%と世界でも高い値を示しているが、これは元々日本では悲観論が浸透しやすいこと、さらに調査期間が2011年11月9日-12月4日であったため、東日本大地震・震災の影響を受けてのものと考えられる。他国と比べてやや特殊な事例化での値となるが、これはこれで仕方あるまい。


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