携帯電話普及率が急上昇中の新興国における上昇具合(2012年版情報通信白書より)
2012/07/24 07:00


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【アフリカ地域を中心に世界のモバイル加入者数推移】や【アジア太平洋地域を中心に世界のモバイル加入者数推移】などでも記しているが、携帯電話≒モバイル端末の普及浸透は特に新興国で著しい。端末本体・利用料金の低価格化や、「ラストワンマイル」をあまり気にしなくてもインターネットへのアクセス権を得られること、それが果たせなくてもSMSや通話機能を用い、交流の機会が飛躍的に高まり、日常生活が一変し新たな世界への窓口を手に入れられることなど、普及理由は山ほど存在する。
今件項目では新興国の中でも、携帯電話の普及を強力に推し進め、金融サービスや情報流通の活性化で、国内を富まそうという動きを見せる諸国(インドネシア・フィリピン・コートジボワール・ケニア・シリア)を取り上げ、その国の携帯電話普及率推移を提示している。元の記事では2010年までしか値が用意されていないが、大本のデータ出典元である【国際電気通信連合(ITU: International Telecommunication Union)のデータ項目ページ】から該当するデータを取得。いくつかの確定値への修正と共に、値を2011年のものまでとした上でグラフ化を行った(参考比較値として日本も掲載)。

↑ インドネシア・フィリピン・コートジボワール・ケニア・シリアの携帯電話普及率(2000-2011年)
国により差異はあるものの、取り上げた諸国はいずれも2005年前後から大きく普及率を上げている。特に【モバイル大展開…ニールセンのレポートからインドネシアのネット事情をかいま見る】をはじめ、モバイル経由でのインターネットアクセスと、それに伴うFacebook利用者の多さで何度か取り上げているインドネシアでは、普及率カーブが急上昇を描いている。
これらの諸国での具体的な携帯電話の活用について、白書では一通り解説をしている。詳細は白書自身を参照してほしいが、
・インドネシア……他のインフラに先んじて整備活用(国土の特性が原因)
・シリア、コートジボワール、フィリピン……難民の食糧支援に活用
などの話が紹介されている。特に最後の事例では、「携帯電話を活用した食料引換券プロジェクト」という、興味深い話が寄せられ、注目に値する。
ちなみに直近、2011年(ITUから取得)の普及率は次の通り。

↑ インドネシア・フィリピン・コートジボワール・ケニア・シリアの携帯電話普及率(2011年)
携帯電話はあくまでもツールでしかなく、そのツールで何をしていくか、できるかが問題となる。見方を変えれば多種多様な使い方が可能なツールの浸透で、世の中を良い方向に変えていく切り口を考え、実践する機会を得られることになる。
手のひらに収まる小さな「箱」が、自分の生活を、周囲を、地域を、そして世界を変えていく。携帯電話はその普及と共に、夢を現実へと近づけてくれるに違いない。
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