携帯電話とリアル店舗での買い物の関係・米国版
2012/07/19 12:00


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今調査はアメリカ合衆国内に住む18歳以上の人に対して2012年1月5日から8日にかけて電話による口頭インタビュー(英語)で行われたもので、有効回答数は1000人。固定電話で出た人は600人、携帯電話は400人(うち184人は固定電話なし)。調査結果の素値は国勢調査結果によってウェイトバックがかけられた上で、各種計算が行われている。
昨今では日本でも各種商品の値札カードにQRコードが貼られ、その場で「詳しい情報を確認してください」とのアプローチを店舗側が行うなど、「店舗内でお客が携帯電話を活用する」スタイル前提なパターンもよく見かけるようになった。今件は「店舗で利用客が携帯電話をどのように、どれほどの割合で活用しているのか」を推し量る調査といえる。
次のグラフは、店舗内で商品を目の前にした際の携帯電話活用方法として、容易に想定できる3つのパターン、すなわち「友達に電話をかけて意見を聞く」「商品の価格をサイトでチェックする」「商品のレビューをサイトでチェックする」の3点について、しているか否か(厳密には過去30日以内にした経験があるか否か)を聞いた結果。電話で聞いた経験あり、とする回答は携帯電話保有者の4割近くに達した。

↑ 年末の買い物時期の際の携帯電話利用(直近一か月以内)(米、2012年1月)
音声による質問は意外と多い。一方、インターネットを使った価格のチェック・レビュー(利用者の感想)の確認は1/4程度にとどまっている。むしろ逆に「携帯電話持ちな店舗来場客の1/4(全体比では2割強)は、商品を目の前に携帯電話で価格やレビューを確認して、購入判断の材料としている」と見たほうが適切かもしれない。
この3項目のうち「音声質問」と「レビュー確認」の2項目について、属性別で再整理をしたのが次のグラフ。デジタル系サービス・機能の利用頻度における定例パターンの通り、IT・デジタルに強い層ほど高い値を示している。

↑ 年末の買い物時期の際の携帯電話利用(直近一か月以内)(属性別、携帯電話保有者限定)(米、2012年1月)
男女別に見ると「男性……オンラインレビューチェックは女性より上」「女性……音声質問は男性より上」のように、男女の特性が良く表れている。また世代別では高齢層ほど利用率が低くなるものの、音声の利用頻度の減少ぶりはオンラインレビューほどでは無く、デジタルのハードルをクリアできるか否かの違いを知ることができる(携帯電話を操作できるが、ネットでの検索はできない・面倒なので、音声で直接聞いてしまおうというもの)。
興味深いのは学歴別区分で、大卒以上になると音声・レビュー共に利用率は減ってしまう。「自分で考え、判断するから第三者の意見は不要」として考えれば道理は通る。
また人口集中地域居住者ほど音声・レビュー共に利用率が高い。周囲に代替的な店舗が存在する可能性を考えれば理解はできる。要は「どのみちこの店舗で買うしかないのだから、比較してもあまり意味がない。だから聞く必要も、調べる必要もない」ということだ(オンライン上ではどのような場所でも購入可能だが、オンラインでの購入を優先するのなら、わざわざ実店舗に足を運ぶ理由は「あまり」無い)。
さらに見方を変えると、「商品レビューを携帯で調べる」は保有者の1/4、全体の2割強でしかないが、中堅層までに限定すれば3-4割にも達しているという事実が確認できる。実店舗で商品販売をする小売店も、商品のオンライン上のレビューを無視するのは得策でない、ということだ。
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