就労経験ありの子供持ち女性の3割強は「妊娠・出産を機に退職」
2012/07/17 12:00
連合は2012年6月13日、主に女性を対象とした「仕事の環境」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち子供がいる女性においては、妊娠や出産を機に育児休業を取らずに退職した人が34.7%いることが分かった。育児休業制度があるものの「取りにくい環境だ」という回答も1割前後見受けられる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2012年5月8日から10日にかけて、学校卒業後に働いた経験がある(現在就業中であるか否かは問わず)18-59歳の男女に対して携帯電話経由のインターネット調査によって行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、世代構成比は10-20代・30代・40代・50代で均等割り当て。調査機関はネットエイジア。
祖父母が居る三世代世帯ならともかく、核家族の場合、パートや正社員で働く女性が妊娠・出産すると体調管理の問題や育児などの事情もあり、就業が困難になる。その際、企業側としては就業規則レベルで妊娠・出産休業制度を導入している(はず)だが、その制度の利用について尋ねたのが、今回スポットライトをあてる項目。
調査母体のうち子供がいる男女(男性211人・女性268人)に対し、就労時に妊娠・出産・育児休業制度を活用したか、取りやすかったかなど、制度について尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 育児休業の利用についてあてはまるもの(子供が居る人限定、上位5項目)
男性が妊娠・出産をするはずは無いので、その部分の回答はゼロとなっている。その他の項目も合わせ、男女間の思惑や内情の違い、当事者達の苦悩が垣間見れる結果が出ている。
冒頭でも触れたように、「育児休業制度を使わず、妊娠や出産を機会に会社を退職した」とする人は34.7%。「余儀なくされた」「これも良い機会なので」かは別として、1/3強が子供が生まれるのを機に職場を離れたことになる。国立社会保障・人口問題研究所の調査結果【一人目の子供が産まれた後、仕事は? 第一子出産前後の就業経歴(2010年分反映版)】と比べると、むしろやや少ない感はある。
「制度はあるが取りにくい環境」という回答は、男性が女性の2倍以上の回答率を示している。その次の順位項目の「育児休業を利用」では逆に、女性が男性の約2倍の回答率を示していることから、「男性が育児休業を取るのは、雰囲気的に難しいところがあり、実際に取得できない事例も多い」ことを意味している。
先に【職場で働き続けるために求められる支援、「やり甲斐」「休暇の取りやすさ」「自己修練可能」】でも触れているが、女性の立場から就労を続けるためには配偶者、つまり男性の支援が欠かせないとする意見は多い。
↑ 働き続けるためにはどのような支援・環境が必要か(3つまでの複数回答、上位5項目、子供のいる・居ない別)(再録)
男性自身も就労継続へのこだわり、意欲も多々あるのだろうが、それよりも・同レベルで育児への積極的な参加意思があるのなら、育児休業制度を活用すべき。企業もむしろそれを後押しする制度を設け、環境づくりを推し進めることが求められよう。
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