男性より女性、高齢者の伸び率高し…属性別の米携帯電話経由ネット利用率
2012/07/09 06:45
アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年6月26日、アメリカの携帯電話経由でのインターネットアクセスに関する報告書【Cell Internet Use 2012】を公開した。今回はその中から「属性別の携帯電話でのインターネット利用率と、3年間の推移」について見ていくことにする。
スポンサードリンク
今調査は2012年3月15日から4月3日にかけてアメリカ在住の18歳以上の男女に対して、RDD方式で選択された番号への電話による英語・スペイン語での口述調査で行われたもので、有効回答数は2254人。固定電話による回答者は1351人、携帯電話は903人(410人は固定電話無し)。インターネット利用者は1803人。結果には国勢調査によるウェイトバックがかけられている。
先に【携帯電話保有者の55%が携帯経由でネットにアクセス…米携帯電話経由ネット利用率】で記した通り、18歳以上のアメリカ在住者のうち88%が携帯電話(スマートフォン含む、以下同)を所有している。その携帯電話保有者のうち、55%がブラウザアクセスによるものか、電子メールの利用でインターネットを利用している。
↑ 自分の携帯電話(スマートフォン含む)でインターネットにアクセスするか電子メールを利用している人(携帯電話保有者限定)(再録)
この「55%」の属性別詳細と、3年前の値との比較を示したのが次のグラフ。全体値としては3年前の2009年4月の時点では31%で、利用率は約1.8倍に伸びた計算になる。
↑ 自分の携帯電話(スマートフォン含む)でインターネットを利用している人(電子メール含む)(個々の属性で携帯電話保有者限定)
まずは直近2012年4月の値を見ると、年齢別では若年-中堅層の値が高く、年収・学歴別では高年収・高学歴の方が利用率が高い。前者はデジタル系技術にありがちな「若年層の方が好奇心と柔軟性に富む」性質を反映したもの。後者は環境整備のハードルや必要性の強弱に比例すると考えられる(ただし学歴と世帯年収は概して相関関係、さらには間接的な因果関係がある場合が多いので、高学歴者がそのままイコール「携帯ネットの利用率が高い」というよりは、「高年収者」に「高学歴者」が多く、結果として同じような傾向を見せると考えたほうが道理が通る)。
また、居住地域別では都市部生活者の方が利用率は高い。これもまた年収との関係性も少なからずあり、同時に必要性の多い少ないも影響しているのだろう。
続いて3年前、2009年4月からの変移で見ると、どの属性も大体2倍前後の増加を示しているが、特に「65歳以上」「地方部居住者」の増加率が大きいのが目に留まる。両者共元々の値が小さいこともあるが、同時にこの3年の間に「コアな層」から「必要性・優先順位の低いライトな層」への拡大の結果とも考えられる。
以前の記事で「スマートフォンの普及が大きく貢献している」「今やスマートフォンの普及率は半数程度に達したが、その利用者の9割はスマートフォン経由でオンラインを堪能している」という原文での言及について触れたが、そこから考えればスマートフォンのライトな層(視点を変えれば一般層)への浸透が、「携帯インターネット率」を底上げしているとも見なせる。今後スマートフォンの利用拡大につれて、「携帯インターネット利用率」もさらに上昇していくに違いない。
■関連記事:
【米スマートフォン保有率の属性別保有率と伸び具合】
スポンサードリンク