アメリカ合衆国が抱く日本のイメージ「豊かな伝統と文化」がトップ(最新)
2024/04/20 02:45
外務省は2024年3月15日付で同省公式サイト内において、アメリカ合衆国での対日世論調査の結果を発表した。その内容によれば調査対象母集団のうち一般人においては、日本を「豊かな伝統と文化を持つ国」と認識している人が56%に達しており、各選択肢の中ではもっとも高い値を示していた。次いで「自然が美しい」「経済力・技術力が高い」が上位についている(【発表リリース:令和5年度海外対日世論調査】)。
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アメリカ合衆国が持つ日本へのイメージ、とは?
調査概要に関しては先行する今調査に関する記事【アメリカ合衆国の日本への一般人信頼度73%・有識者は88%に(最新)】における記述を参照のこと。
今調査母体のうち一般人においては、日本の知識や情報はテレビや新聞、インターネットなどを主なツールとして取得している。
↑ 日本についての知識および情報はどこから得ているのか(一般人、自由回答)(2023年度)(再録)
それではその日本に対するイメージとして、どのような姿を頭に描いているのだろうか。主要選択肢を用意し、それに同意できるか否かで答えてもらった結果が次のグラフ。「豊かな伝統と文化を持つ」が5割台後半でトップ、「自然が美しい」「経済力・技術力が高い」が続く。
↑ 日本に対するイメージ(一般人、複数回答)(2023年度)
次いで「アニメ・ファッション・料理など新しい文化を発信」「生活水準が高い」が続く。「保守的で閉鎖的」「警戒を要する」「理解が難しい」「軍事的」などのネガティブな回答はさほど多くない。
これら値の経年推移を見ると、「理解が難しい」「警戒を有する」が漸減し、「自然が美しい」がこの数年増加傾向を見せているのが確認できる。
なお先行記事でも言及しているが、2017年度以降の分は一般人向けの設問の様式で大きな変更があったようで、複数の設問の結果において値が大きく減少する傾向が確認できる。対日だけでなく他の諸外国に対する設問でも同様の動きを示していることから、単純に対日感情の沈滞が生じたのではなく、設問が変わったことによる動きの可能性が高い。よって経年推移の検証では暫定的措置として、2017年度以降の分はグラフに反映をするものの、2016年度までとは別のものとして精査する。
↑ 日本に対するイメージ(複数回答)
「経済力・技術力が高い」「国際社会でリーダーシップを発揮する」といったポジティブな要素で小さからぬ値の下落が起きているのも確認できる。絶対的な実情の低下か、相対的地位の下落かまでは確認できないが、アメリカ合衆国側の印象としてだけでなく、自国としての見解でも、あながち否定できないのも事実。
また2017年度以降に限ると、上位陣の「豊かな伝統と文化を持つ」「経済力・技術力が高い」「自然が美しい」「アニメ・ファッション・料理など新しい文化を発信」の項目で減少傾向が確認できる。日本への魅力が薄れつつあるのだろうか。ただしここ数年では多くの項目で増加を示しているのが幸いではある。
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