若年層パート・アルバイトのこづかい事情(2012年発表分)
2012/07/05 12:00
先に【4万円には届かずも5年ぶりに上昇・2012年のサラリーマンのこづかい事情(2012年発表分)】などで、新生銀行が2012年6月28日に発表した、2012年におけるサラリーマンのおこづかい調査の結果内容を、いくつかの視点で確認した。今回はそれに続く形で、昨年同様に発表された内容を元にした記事のデータ更新を行うことにする(【発表リリース(PDF)】)。
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今調査は2012年4月23日から24日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2100人。男女比は1566対534で、年齢階層比は「男性サラリーマン」は20代から50代まで10年区切りで、「女性会社員」「男性パート・アルバイト」「女性パート・アルバイト」は20代・30代でそれぞれ均等割り当て。なお「男性サラリーマン」以外は今回が昨年に続き2回目の調査となる(ただし明記ない限り、データ・グラフはこれまで通り「男性サラリーマン」からのものについてのみ対象としている)。また今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではない。
さて男性サラリーマンの平均月額こづかい額は2012年では3万9600円で、5年ぶりに上昇の動きを見せたのは、すでにお伝えした通り。
↑ 2008年以降における年齢階層別サラリーマンのお小遣い(再録)
「女性は?」「正規雇用でないパートやアルバイトのおこづかい事情はどうなのか」と気にする人もいるに違いない。それに応えるのが今回の項目。まずはストレートに小遣い額そのものだが、若年層の会社員(正規雇用)は2012年に限れば、女性よりも男性の方が小遣いは高いという結果が出ている。
↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(月額、円)
2011年は女性会社員の額が男性会社員額を上回り、少々意外性のある結果が出た若年層小遣い事情だが、2012年は男性が女性を上回る形となった。ただし昨年は800円、今年は700円の差でしかなく、実質的には「若年会社員の小遣いは男女でほぼ同じ」と見てよいだろう。
一方パート・アルバイトでは、男女で大きく差が出る状況に変わりは無い。そして額そのものが会社員と比べ5-6割程度でしかないのも同じ。手取りそのものが少なく、非消費支出(税金や社会保険料)の負担も大きいだけに、小遣いを低く抑えねばならない結果といえる。
若年層の小遣い事情の厳しさは、昇給の有無の動きからも見て取れる。
↑ 昇給の有無(「あり」「なし」の二択で「あり」回答率)
パート・アルバイトの男性以外のすべてで、昇給ありの割合が減少している。各属性の手取りにおいて伸び悩みが起きていること、同時に会社員と比べてパート・アルバイトの手取りの上昇が抑えられていることが見て取れる。何しろ男性パート・アルバイトは昇給の待遇を受けている人が、(去年から改善されたとはいえ)1割にも満たないのだから。
「こづかい」は「可処分所得」(自由に使えるお金)の中では、もっとも本人の自由意思が効くお金で、趣味趣向にあてがわれることが多い。額面は多くの属性で増加しているが、同時に半ば固定費扱いとされる携帯電話代は増加の動きを見せており、実質的な対娯楽自由度は横ばいと見たほうが無難かもしれない。
グラフ化は(今回は)略するが、小遣いから見た生活のゆとり度において、パート・アルバイトに従事する男性若年層では71.5%、女性若年層では67.7%が「苦しい」と答えている。金銭面での不足によるストレス増加が、他の方面に及ぼす影響が心配されるところではある。
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