高齢者のネットアクセス機器(2011年分反映版)
2012/06/29 07:05


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調査概要や調査対象母集団数などに関しては、2012年6月12日付の記事【光回線浸透継続の一方で意外なモノの伸びも-自宅パソコンのネット接続回線の種類(2011年分反映版)】にある通り。そちらを参照してほしい。
先に【インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(2011年分反映版)】で記したように、自宅のパソコンを用いてインターネットを利用している人は62.6%、自宅以外のパソコンを用いている人は39.3%。スマートフォンも含めた携帯電話を使ってインターネットへのアクセスをしている人は61.4%に達している。

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別2011年末)(パソコン)(再録)

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別2011年末)(パソコン以外)(再録)
その記事の文末でも触れているが、「60歳を超えるとインターネットへのアクセスは”パソコン利用者よりも携帯電話、しかもスマートフォンでは無く一般携帯電話利用者が多くなる”という傾向が見られる」。そこで60歳以上の動向について、「携帯電話」を「一般携帯電話」と「スマートフォン」に分割した上で、グラフを再構築したのが次の図。

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別/2011年末)(全体と高齢者限定)
全体では16.2%を数える「スマートフォンによるネットアクセス者」も、60歳以上ではほとんど無きに等しい。そして60-64歳ではインターネット機器としての利用率において「自宅パソコン」と「携帯電話(スマートフォン除く)」がほぼ同数となり、65歳以降では逆転する。まさに「シニア層には一般携帯電話がインターネットへの窓口となる」状況が見て取れる。
「機動力が高い」「技術的にアクセス環境の整備が容易」「初期投資を安く抑えられる」などの観点では「携帯電話(スマートフォン除く)」も「スマートフォン」も変わらない。むしろ画面処理能力をはじめとした各種機能、アプリケーションによる柔軟性では、はるかにスマートフォンの方が上。にも係わらず現時点で高齢者にスマートフォンが浸透していないのは、利用上のハードルの高さ(操作が難しい、やるべきことが多い)やコスト高の他に、【タッチパネル製品保有の世帯は8割強、携帯ゲーム機5割・カーナビ1/3】でも指摘している「タッチパネル製品が使いづらい」というシニア層ならではの問題点があると思われる。
携帯電話各社の機種展開方針などを見ると(【らくらくスマートフォン F-12D、ドコモから登場】)、今後はこれらの層にも少しずつスマートフォンが浸透してのは容易に想像ができる。とはいえ高齢者が抱える問題をすべて解決しているとは言い難く、若年層と比べて普及スピードはゆるやかなものになるはず。むしろこれらの問題を解決しうる、新たな発想の機種展開も求められよう。
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