過去一年間の映画館での映画観賞者4割強、若年層ほど多い傾向
2012/06/24 06:45
gooリサーチは2012年6月15日、映画館での映画鑑賞に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、過去一年間に映画館で映画を鑑賞した人は4割強に達していることが分かった。男女別では女性のほうが、世代別では若年層のほうが映画館での映画鑑賞率は高い傾向が見受けられる(【発表リリース】)。
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今調査は2012年5月23日から28日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は3189人。男女比はほぼ1対1、世代構成比は10代から70代まで10年区切りでほぼ均等割り当て。
メディアの多様化、特にインターネット周りの進化発展や家庭内テレビの大型化の影響で、「映画館で映画を鑑賞する」というスタイルの価値は大きく変動している。当然それを本業とする映画館にも、大きな周辺環境の変化の嵐が到来している。今調査母体では過去一年間で映画館で映画を鑑賞した人は45.3%。4割強程度にとどまっている。
↑ 過去一年間に映画館で映画を鑑賞したか
↑ 過去一年間に映画館で映画を鑑賞したか(属性別)
男女別では全般的に女性のほうが鑑賞率は高い。特に若年層では10-20ポイント近い差が出ている。また、「10-20代女性は6割が映画館で映画鑑賞をしている」「60-70代でも3-4割は映画鑑賞のため映画館に足を運んでいる」など、留意に値する結果が出ている。
気になるのは5割強の「いいえ」。「映画”を”観ていない」のか、「映画は観ているが”映画館で”観ていない」のか。言い換えれば「映画そのもののへの興味が薄れている」のか、「映画には興味があるが、映画館では観るに及ばない」と考えているのか。そこで一つ目のグラフをもう少し細かく切り分けたのが次の図。映画そのものに関心が無い人は2割足らずでしかない。
↑ 過去一年間に映画を鑑賞したか
「観ていない(機会が無いのか、観るに値する作品が無い)」「映画は観たが映画館では観ていない(自宅か、あるいは飛行機内などてか。自宅の場合、DVDなどの再生機器でか、それともインターネット経由でか、など)」など、その行動を起こした詳しい理由までは、今調査からはわからない。しかし映画そのものが避けられているというよりは、映画館に足を運ぶ選択肢が選ばれていないだけであることが分かる。
複数の理由が考えられるが、(詳細は別途精査予定)概して「映画館で観たい映画が無い」「行くのが面倒」「自宅視聴の方が楽」など「訪館に値する作品が無い」、そして料金の高さが挙げられている。もっとも料金の高さも絶対的な額の問題以外に「映画館料金を払ってまで足を運んで観る価値があると思わせる内容か否か」という切り口で見れば、やはり作品の質の問題にたどり着くことになる。もっとも映画そのものの品質と、来館動機とは必ずしも連動しないのが頭の痛いところだ。
冒頭で触れたように、視聴スタイルの多様化・高技術化が進んでいる昨今、映画の品質だけでなく、さまざまな視点から「映画館ならでは」の魅力、エンタメ性を提供しなければならないのだろう。
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